今週に入って、クリスマスの準備も急ピッチで進んでいます。各デパートのクリスマス・ウインドウも例外ではなく、大人っぽい雰囲気のシックなウインドウが定評ある五番街の超高級デパートBergdorf Goodmanでは、係りの人が最後の調整に、忙しく立ち働いていました。また、Madison AvenueのBarneys New Yorkの今年のテーマは、あの人気テレビ番組「Sex and the City」なのですけれど、ほとんど完成したウインドウの中で、中央のマネキン?だけに幕がかかっており、「Unveil November 18(11/18に除幕)」と書かれた紙が貼ってあって、なんだか思わせぶり。除幕されたら、もう一度見に行かなくっちゃ。この前、まだ準備中だった、Saks Fifth Avenueのウインドウも、17日の午後7時に公開されるとの張り紙があったので、今週中には、かなりのウインドウが公開される運びとなりそうです。 さて、この前の週末は、久しぶりに夜のエンターテイメント、オペラ鑑賞に出かけてきました。今シーズンは、ここのところ、しばらく続けていたMetropolitan Operaのシリーズ・チケットの購入をしていないので、定期的にLincoln Centerに通うということはなく、興味のあるものだけ、単独公演でチケットを買っています。今回は、メトロポリタンではなく、New York City Operaの公演で、「The Mikado」という、ちょっと変わったオペラを観て来ました。 「The Mikado」とは、「帝 (みかど)=天皇陛下」ということで、物語の舞台は日本に設定してあります。このオペラを作ったのは、19世紀のイギリスの作曲家Arthur Sullivanと作家のW.S. Gillbert。このふたりは、Gillbert & Sullivanというコンビでよく知られていて、ふたりが製作していたロンドンのサヴォイ劇場で上演される軽い喜劇、俗に「Savoy Opera」と呼ばれている作品のひとつです。彼らはいくつものヒット作品を作ったそうですが、舞台が日本ということと、内容的にかなり日本をおちょくった?ものであることから、日本政府が抗議して、戦前は海外での公演も禁止を求めたほどであるということから、多分、現在、日本で最もよく知られており、かつ上演されている作品が、この「The Mikado」のようです。加えて、数年前に、Jim Broadbent(「ムーランルージュ」等)主演で、ふたりが日本の風俗を取り入れながら、苦心してこのオペラを製作する過程を描いた「Topsy-Turvy」という映画が話題になり、ビデオを借りて見たら、かなり面白かったので、実際の作品を観てみたいと思っていたのでした。 手持ちのオペラ読本には、時代設定が「明治維新以前の日本」とあるし、確か、映画の中でも、登場する女性などは着物を着ていた気がしたので、てっきりそうだと思っていたら、今回の舞台は、全員、モノトーンの洋服でした。舞台セットも、白を基調にしたもので、かなりモダンですっきりした感じ(写真左)。それはそれでセンスが感じられたので悪くはありませんでしたが、描いていたイメージとはかなり異なりました。ただ、一応、ちょこまかした動きや女性の甲高い声などは、日本人風?イギリスのオペラですから、言語はもちろん英語、朗々と歌う古典的オペラとは異なり、軽妙な動きやセリフも多いので、この衣装や舞台セットとも相まって、オペラというより、かなりミュージカルに近いような雰囲気でした。 題名は「The Mikado」ですけれど、帝自身の出番はそんなに多くなく、主役は、国の死刑執行官であるKo-Koという怪しげな?役人(写真右)。黒いザンバラ髪にスーツという、マンガのイヤミみたいな!?風体で登場していました。ストーリーは、帝の命により、このところ長らく行われていなかった死刑執行をするよう迫られていたKo-Koですが、該当者がいないため、愛する娘Yum-Yumと結婚できないなら死ぬと思いつめている若者Nanki-Pooを無理やり死刑にしようとするも、実は彼は帝の息子、つまり皇太子であったことが判明し、最終的には、皇太子の許婚者で、不美人の娘と結婚するハメになるという、かなりハチャメチャなものです。いちばん面白かったのは、最初にKo-Koが登場するシーンで、彼が持っている「いつでも死刑に出来る人リスト」というリストの内容を歌い読み上げるくだりがあるのですが、この部分は、その時代に応じて内容変更可となっているそうで、今回のリストには、つい最近、Broadwayの舞台が不評で一般公開前に打ち切りになってしまった!元チャーリーズ・エンジェルのFarrah Fawcettやインサイダー取引で有罪判決もあり得る?Martha Stewart、イラク侵攻がうまく行かずに人気急落中のGeorge W.Bush大統領なども入っていました。ただ、セリフが多く、歌が少ない分、集中して聞き取りをしなくてはいけない!のと、やっぱり、歌の力量だけでいえば、メトロポリタンには劣っていると思われるので、音楽性を楽しむオペラというよりは、軽めに楽しむ喜劇と思って観るべき舞台なのかもしれません。 New York City Operaの公演は、ミュージカル同様、Times Squareのビジターセンターなどに、ディスカウント・クーポンがあるので、定価の半額、だいたい50ドルくらいでオーケストラ席のチケットを買うことができます。気軽にオペラをご覧になりたい方にはおすすめ。11月末からNew York City Balletのクリスマス公演「The Nutcracker」が始まってしまうので、年内の公演は残りわずかですが、来年も3月と4月に公演があります。公演スケジュール等は、http://www.nycopera.comで。 ↑先頭に戻る
先週末、土曜日には、New Yorkで見事なLunar Eclips(月食)が見られました。ちょうどお天気がよくて、空が澄んでいたからか、丸い月がどんどん細くなって、最後はほとんど隠れてしまう様子が肉眼でもちゃんと見えました。月が欠け始めた7時過ぎくらいに、ちょうど外に食事に出ていたので、かなり細くなってしまってからですが、20分おきくらいに写真を撮ってみたら、こんな感じ。月食をちゃんと見たのなんて、小学生のとき以来かなーと、なんだかちょっと懐かしくなってしまいました。ローカルニュースでも、夜何時くらいから月食が始まるということをずっとやっていたので、車で家に戻るとき、月食観察に出ていたらしき、バッチリ防寒をした親子連れを何組か見かけました。 そして、月とともにNew Yorkの夜空を照らすものといえば、おなじみEmpire State Buildingのライトアップ。そのエンパイアの明かりに、最近、ちょっと異変が起こっていることに気づきました。といっても、色がどうとかいうことではなくて、前は、真夜中の12時になったら必ず明かりが消えていたのに、このところ、それがずっとつきっ放し。なんとなく目が覚めてしまった朝6時頃、まだ日の出前の薄暗い空に、煌々とエンパイアの明かりが灯っていて、ちょっとびっくりしたこともあります。エンパイア・ステート・ビルのHP(http://www.esbnyc.com)をチラッと見てみても、それらしき記述がなかったので、なんで、最近そうなのか、わかりません。あのライトアップの時間が長くなって不快であるという人はいないと思いますが、明け方まで一晩中つけっ放しにしておいたら、光熱費もさることながら、渡り鳥など自然に及ぼす影響はあるのではないかしらん?などと思ったりしていますが、どうなんでしょう?
帰ってくる名コンビ!
今、Broadwayで最も人気のあるショーといえば、多分、ちょっと前のコメディ映画をミュージカル化した「Hair Spray」なのだろうと思いますが、コメディ映画をミュージカルにした大ヒット作といえば、なんといってもトニー賞を独占した「The Producers」。一時は、半年先のチケットがやっとというくらいのプラチナ・チケット状態で、観光シーズンともなると、昼間から当日キャンセル待ちの人々が並ぶような大人気ぶりでした。ところが、主役の看板スターNathan Lane・Matthew Broderick(「Sex and the City」のCarrieこと、Sarah Jessica Parkerのだんな)のふたりが降板してからは、たった2週間での主役更迭劇などもあって、評判は徐々に落ちてしまい、今は、チケット入手も簡単なようで、団体客が多かったりもします。それが・・・8月に、あの主役ふたりがまた復帰する!というニュースが突然伝わりました。年末ないしは年明けからという報道だったので、その日のうちに、彼らが出る時期のチケットを買いに走る人が劇場のボックスオフィスに殺到したのは有名な話。で、その時点では、まだ契約が正式ではなかったらしく、このほど、彼らが舞台に復帰するのが12月30日で、来年4月4日までの期間限定であるということと、その期間のチケット売出しは、今度の日曜日11月16日であることが正式に発表されました。確かにあのふたりで見てみたい気はするのですけれど、主役ふたりの降板直後という間の悪いタイミングで一度見ているし(詳細はこちらで)、チケット売り出しとともに、週末のいい席なんてどんどんなくなってしまいそうだから、チケット入手を試みるかどうかは、まだ未定です。まあ、他にもBroadwayで見てみたい舞台はありますしね。そろそろ、冬に向けて、チケットを買いに行こうかな。