WHAT'S UP ?
in New York 
September, 2002 
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再度のテロ攻撃なども心配された9月11日も、何事もなく無事過ぎ、当日は、色濃く反映されていた9/11追悼ムードも、あまり長引かず、また、ほとんどの物事が平常通りに戻りつつあります。そんな中で、1周年を記念して、今、いくつかのアートの展示が無料で公開されているので、それをまとめてご紹介してみます。
夏の屋外アートが片付けられ、US Open観戦の巨大スクリーンが姿を消した、Rockefeller Centerでは、今年1月にGrand Central Terminalで行われたFaces of Ground Zeroという展示が、再度、開催されています。(前回の展示の様子は、1月の話題でご覧ください。) New York在住の写真家が、事件後に救助にあたった消防士たちや医師ら、ひとりひとりの写真をスタジオで撮り、巨大なパネルにしたものです。1枚1枚が等身大以上の大きなものなので、スケートリンクの裏手に特設テントを作り、その中で展示が行われています。写真の後ろに見えている白いものがテントです。こちらの展示は、9月23日迄で、朝6時〜夜10時までオープン。この後、他の都市でも展示が行われるため、しばらくNew Yorkを離れるそうです。前回見逃した方も、ぜひ。
そして、最後は、個人的にはとっても注目している屋外アート、DOGNY。おととし、New York中、あちこちにウシが登場したCow Parade(Cow Paradeの様子は特集ページでご覧くださいね。)と同じように、同じ形をした像に、地元アーティストが様々な装飾を施し、公共の場所に設置したものです。今回は、事件直後、消防士や警察官などと一緒に、被害者の捜索や救出にあたった、捜索犬・救助犬への支援が開催の目的。なので、像の形は、そういう任務にあたる犬の代表であるジャーマン・シェパートの形をしています。展示が終わった後、オークションで全ての像を売るというのも、前回の展示と同じ。今回の収益は、それらの犬を育成するいくつかの団体に寄付されることになっています。
ミッドタウンでは、オフィスビルのロビーや、Saks Fifth Avenueのウインドウなどにも展示されていますが、多くは、テロ事件で亡くなった消防士や警察官がいるそれぞれの分署の前に展示されています。彼らの命日である9月11日には、像やその周辺にたくさんの花やロウソクが供えられていました。像が置かれている場所が、オフィシャルサイト(http://www.dogny.org)に掲載されていますが、それを見ると、現場付近だけでなく、かなり遠い分署から駆けつけた消防士らも犠牲になってしまったことがうかがえます。また、このイベントは、発起人は属している愛犬団体American Kennel Clubが主催なので、その他の設置場所としては、犬の遊び場Dog Runがある公園というのもなんだか微笑ましいところ。Union SquareやWashington Square、Tompkins Squareなどの公園に着飾った像が鎮座しています。像は、全部で300体ほどあるそうですが、まだまだ展示されているのは一部だけのよう。これから徐々に増えてくるのだと思われます。展示期間は、11月末迄で、オークションは12月中旬開催予定。今回も、写真を撮ってHave Fun!!の特集ページを作る予定なので、後でチェックしてみてくださいね。
あの、2001年9月11日から、1年経ちました。New Yorkはじめ、全米各地で行われた、テロ事件の1周年を記念する行事を、テレビでご覧になった方も多いことでしょう。いちばん多くの犠牲者を出したNew Yorkでは、先週末くらいから、様々なメモリアル・イベントが始まり、今週いっぱいは、街全体がそれ一色といった雰囲気です。「イベント」と日本語でいうと、なんだか華やいだ出来事のようなイメージがありますが、英語の言葉自体は、「行事」というくらいのフラットな意味合いなので、今回のイベントについては、大きなお葬式とか、法事が開かれていて、それに多くの人々が参加しているような感じ。もちろん、いろいろな場所でコンサートが開かれたり、各国からVIPが訪れたりして、街はにぎわいを見せてはいますが、皆、この大きなお葬式に参列するために訪れているわけですし、しかも、テロ再発を防止するための厳戒体制が敷かれているので、ちょっと普通とは違う雰囲気に包まれています。ブックストアの店頭にも、星条旗やワールド・トレード・センターの写真が表紙の特集号が並んでいます。ちなみに、右下は、去年は亡くなった消防士の写真が含まれていたため、販売中止になったFDNY(New York City Fire Department)のカレンダー。日本でも、某航空会社のスチュワーデスさんのカレンダーがありますよね。あれの男性版だと思っていただければ大差ありません。
五番街やその周辺のお店も、
ほとんど営業はしていますが、喪に服すように、ショーウィンドウを片付けてしまっているところをよく見かけました。高級デパートSaks Fifht Avenueでは、全てのショーウィンドウに白いスクリーンを張ってしまったうえ、9月11日のみ、開店時間を正午に遅らせていました。近くのCOACHも展示してあった商品を全部下げて、星条旗と花に置き換え、ウインドウには「In memoriy of September 11th, 2001」の文字が。私がこの辺りを歩いたのは、前日の午後なので、当日までには、さらに多くの店舗で同じような対応をしたのかもしれません。お店を閉めてしまったところは、実際はそんなになかったようですが、関係者やごく近しい人が亡くなってしまった個人商店やレストランなどでは、やはり、この日に営業する気にはなれず、臨時閉店としたようです。この他、現場近くのNew York Stock Exchange(証券取引所)も、開始時間を正午まで遅らせましたし、少なくとも、最初に旅客機がWTCに突入した8時46分からしばらくは、黙祷したり、祈りを捧げたりする時間であるという認識が、New Yorkerの間には浸透していたようです。
いつも通る、Port Authorityのバスターミナル構内にも、メモリアルとして、ガラスのような透明のツインタワーが設置されていました。事件当時、ツインタワーを管轄していたのが、Port Authorityだったため、NYPD(New York City Police Department)と同じように、現場の警備や避難誘導に当たっていたPort Authority Policeの警官の人々も、犠牲になってしまったのでした。
前にも書きましたが、個人的な知り合いであの事件の犠牲になった人はいませんでした。それは、本当に、不幸中の幸いといってよいと思います。2,800人もの命をあっという間に奪ってしまった衝撃的なテロ事件。テロという卑劣な行為への怒りもさることながら、個人的に、あの事件で、いちばん強く感じたのは、どんなことでも起こりえてしまうという、世の中の非情さというか、運命のめぐり合わせというか、個人の力をはるかに超えた出来事があるという事実でした。そして、その後の日本での報道などを見たり聞いたりするたびに、大好きなNew Yorkの本当の姿をお伝えしたくて、このHPを続けていく意欲がそれまで以上に強くなったということもありました。New Yorkのために、立ち上がった肌の色も年齢も出身地も様々な人々を見て、自分で出来るのは、このHPを続けていくことなのかな・・・と。そして、1年、それが、皆さんに少しでも、お伝えできているとうれしいです。
残暑や悪天候が続きで、決してよいコンディションとはいえないNew Yorkで、8月末から熱戦が繰り広げられていたテニスの4大トーナメントのひとつ、US Openは、男女シングルスとも、予想通りのSerena Williamsと、ちょっと前だったら予想通りながら、今年に限って言えば予想外の活躍だったPete Samprasと、アメリカ勢の優勝で幕を閉じました。決勝戦からして、ウィリアムズ姉妹対決に、往年の名対決の再現、アガシ v.s. サンプラスという、どっちが勝ってもアメリカ人はハッピーという対決だったので、かなり盛り上がっていました。この大会は、毎年、夏の終わりのLabor Dayを挟んだ2週間ほどで開催されるので、去年も、あのテロ事件の少し前に大会終了したばかりでした。
9月11日を間近に控えた今年の大会は、例年になく、市やスポンサーがコマーシャルに力を入れていて、Times Squareでは、ご覧の通りのウィリアムズ姉妹の大きなポスターがビルを覆っていましたし、ほど近いMadame Tussaud's Wax Museumの前には、往年の名選手、キング夫人(多分)の人形が出されていました。そして、街中を走るバスや地下鉄にもポスターが登場し、よく見かけたバスのポスターは、奇しくも、男女とも、今年の決勝で対戦した選手たちが登場していたのでした。
時既に遅しだったのか、それとも、この大会のチケットが接待などでよく使われるからなのか、メインスタジアムであるArthur Ashe Stadiumの座席は、すり鉢状になったてっぺんの方しか買えませんでした。きっと、双眼鏡がないと選手の見分けすらつかないであろうと思い、今回はあきらめました。
そして、個人的に、この大会でアメリカ選手が大活躍した影響をとっても、とっても感じたのが、家の前にあるテニスコート。道路を挟んで向かいにあるので、窓からちょうど見下ろせる位置あって、今まで、まあ、暑かったこともありますが、ここで誰かがテニスをしているのなんて、ほとんど見たことがありませんでした。それが、大会が始まったころから、ポツポツとコートに人影が見えるようになり、トーナメントが進むにつれ、平日でもプレーする人たちが出てきて、週末は3面あるコートが全部埋まってしまうくらいの繁盛ぶり!皆さん、
昔、それなりにプレーしていた人たちらしく、わりと上手なのですけれど、どう見ても、普段運動不足の体型では、なかなかボールに追いつかないようです・・・それを見ていたら、「エースをねらえ」世代の私も、中学生のときにちょっと習ったり、大学のときには、サークルでやったりしていたので、全然上手いわけでもないし、よく考えたら、今はテニスラケットすら持っていないのですが、なんだか、ちょっとテニスをしたくなってしまいました。
涼しかった週末から一転、今週は、また暑さが戻ってきました。最高気温が30℃ちょっとくらいで、やっぱり日中は半袖でないとダメ。でも、朝晩は意外と涼しくて、ジャケットがあってもいいかな?というくらいなので、季節は着実に秋に近づいているようです。
というわけで、New
Yorkといいつつ、New Jerseyで開幕するNFLですが、今年は、開幕に先立ち『NFL Kickoff Live from Times
Square』なる無料コンサートが盛大に行われました!普通、開幕は週末なのだそうですが、今年は異例の木曜日。そして、こんなコンサートが行われるのも初めてです。お昼過ぎに42nd
Streetを通ったら、既に、Broadwayと7th
Avenueへ入ることは出来なくなっていて、警官の一団がミニバイクで走り去って行きました。おなじみの、青い平均台みたいなバリケードが次々運び込まれ、東西は6th
Avenueから8th Avenueまで、南北は40th Streetから48th
Streetくらいまで、あっという間に車両通行止めになってしまいました。これは、ちょうどステージを裏側から見たところで、近くではIDカードを首からぶら下げた関係者が行き交い、出演者が控えている?らしきバンが止まっていたりしました。
その後、6th Avenueくらいまで歩き、ちょっと北上していたら、47th Street付近から、Times
Squareの方へ入ることが出来てしまったので、人の流れにつられてフラフラと入ってみました。ちょうど、カウントダウンのときと同じように、まさにTimes
Squareのところにステージが組まれ、すぐ下は警官と関係者しかおらず、今から開演を待っている人たちが歩道のところにひしめき合っていました。ちなみに、開演は5時で、この時点で2時くらい。ただ、今回は、出演者の顔ぶれがとにかくスゴイ!Bon JoviにAlicia Keys、それにEnrique
Iglesiasと、音楽に全然詳しくない私ですら、全員名前を知っていて、しかも、顔だってわかっちゃうくらい。3時間くらい待つのは当然すぎるくらい当然なのかもしれません。スルスルと歩いていたら、ステージに激近のところまで行けてしまいました。でも、もちろん、まだ、誰もいません。そこは、近過ぎて、立ち止まってはいけなかったので、写真だけ撮って遠ざかりましたが、そのまま、その辺りで辛抱強く待っていたら、ほとんどアリーナ状態でBon Joviが見れるチャンス!でした。
Bon
Joviといっても、私が顔がわかるのは、最近、映画やテレビドラマにもよく出演しているJohn Bon
Jovi(写真右からふたりめ)だけなんですけれど、大半の人がそうですよね?ちなみに、彼は生まれも育ちもNew
Jerseyで、熱烈なGiantsファン。現在はManhattanに家があるそうです。9月11日の1周年記念を間近に控えたNew
Yorkで、しかもNFL関連のイベントだからこそ、この無料コンサートへの出演を決めたのだとか。すごい人で近寄れなかったのですけれど、42nd
Street沿いにあるMadame Tussaud's Wax
Museumでも、どうやら、入口前にJohn Bon Joviの蝋人形を出していた模様。New
Yorkには、有名人がいっぱい住んでいるのに、ほとんど見たことがない私、ここは、やはり数時間待って、タダでBon
Joviのコンサートを見るべきだったのでしょうか・・・?それにしても、すごい数の警官がいて、婦警さんも結構いたのですが、彼らの中には、Bon Jovi見たさに、この勤務についている人がたくさんいるに違いない・・・と思いながら、家に帰ってから、CBSの中継をテレビで見たのでした。
暑くて雨もたくさん降った8月の終わりとともに、New
Yorkの夏も終わってしまいました。こちらでは、9月2日がLabor
Dayでお休みだったため、31日から3連休。気づいたら9月になってしまったといった感じです。最近、空模様が不安定ではありましたが、この週末は、雨がちだったうえ、気温が一気に下がり、最高気温でやっと20℃程度という涼しさ。もう、これはセーターの出番かしら?と思いきや、また、30℃以上の暑さに戻るらしいので、すっかり秋になってしまったというわけではないようですが、それでも、もう、なんとなく秋冬物を出してきたいような今日この頃です。
で、それにタイミングを合わせたのか?先週から、Grand Central
Terminalで、月にちなんだ!?面白い展示が行われていました。なんといっても、まず、目に付いたのが、
高い天井から下がっているシャンデリアに届かんばかりの、巨大な宇宙飛行士。しかも、下には巨大な木の実が転がっています。これ、よく見ると、股の間に挟んでいるのも同じクルミの実で、どうやら、宇宙飛行士の形をしたくるみ割り人形なのでした。この展示のタイトルは、『MOONLIGHTING: The MTV Moonman Takes on All New
Roles』というもので、とにかく、日常で使う生活用品が、すべてこのMoonmanなる宇宙飛行士の形をしているのです。巨大なのは、このくるみ割り人形だけで、あとは、ホール内に作られたガレージや部屋の中にいろいろな器具となったMoonmanたちが置かれていました。
個人的なお気に入りは、こちらのふたつ。左は、プレイルームの一角にあったレコードプレーヤーで、レコードをセットする部分がMoonmanになっているもの。冷静に見ると、このままじゃ、レコードをセットすることができないので、使えないといえば使えないのですけれど、うやうやしくレコードを持っている様子が、頑張って働いているようで、なかなかカワイイ。そして、右は、キッチンにあったバーベキューの串がMoonmanになっているもの。こちらも、串に刺さった野菜を一生懸命支えているような形になっているところが、ミソ。でも、これも、冷静に考えると、直火で焼いてしまうんだから、ちょっと残酷・・・ですけれどもね。他にも、取っ手を動かして人形にボールを蹴らせるテーブルタイプのサッカーゲームの人形が全部Moonmanになっていたり、横たわってローラーブレードの車輪を支える部分になっていたり、工夫をこらしたいろいろなものがありました。c 2002
kyoko_isaka@msn.com
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