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WHAT'S UP ? in New York

September, 2002 

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●Back to Normal 〜1周年を過ぎて
●週末ブランチの人気店
●テレビ番組の新シーズン
●芸術の秋、オペラ&オペラ
続き(9月前半の話題)を見る・・・

- 9月29日(日) 芸術の秋、オペラ&オペラ
芸術の秋といえば、New Yorkのアートシーンも、9月が新しいシーズンの始まりです。まだ、クリスマスツリーがないのはしょうがないにしても、春先から続いている水不足が完全には解消していないからか、今年は、広場中央の噴水も乾いたままで、ライトアップもなく、Lincoln Centerの夜景は、ちょっと物足りない感じ。今年も、4作品が組み合わされたミニ・シリーズを既に購入済みのMetropolitan Operaは、先週、9月23日のOpening Night Galaで幕を開けました。去年は、9月11日の事件以降、観光客が減ってしまったために、前売りが売れているMetropolitan Operaをもってしても、かなりの収入減だったようです。そのせいか、今年は全体的にチケットの値段が上がってしまったのが、ちょっと悲しいところ。それでも、オーケストラ席は、まだギリギリ100ドル台(<200ドル)なので、やっぱり、日本と比べればずっと安いのでしょうか。
さて、今年は、選んだ演目の関係で、最初の舞台は、シーズン明け直後になりました。週末に鑑賞したのは、中国宮廷の、エスニックでいてきらびやかな雰囲気をふんだんに取り入れたプッチーニの遺作、「Turandot」。舞台装置がすごく豪華であるのと、登場人数が多いことから、演じるのが大変なオペラのひとつであるそうですが、絢爛豪華な舞台はさすがに見事でした。同じプッチーニの東洋モノとしては、去年観た「Madama Butterfly」がありますが、あちらは、舞台が日本なので、細かいところで「それはちょっと変でしょう?」と突っ込みたくなるようなところが多々あったりしましたが、さすがに中国ともなると、「それもありかな?」という感じで、全然気になりませんでした。中華街の新年に欠かせない獅子舞も出てきたし、主役のお姫様は、京劇ばりの白塗りに強い隈取り、あちこちに龍の飾りがあったりして、中国チックなものが大集合。音にも、時々、いかにも中国っぽい旋律が混じったり、ドラの音が使われたりと、わかりやすい中国趣味でした。自分に求愛する男性に難解な問題を出して、解けなければ首をはねてしまうという、冷血なトゥーランドット姫が、身分を伏せて求愛した王子によって真の愛に目覚める・・・というストーリーなので、このふたりの主役の力量が重要な舞台ですが、どちらも素晴らしい声でした。お姫さまは、その化粧のどぎつさと衣装のゴテゴテさだけでも存在感十分でしたが、太くて通るソプラノの声の迫力もそれに相応しいものでした。歌う分量自体はずっと多い、王子役のテノールもしっかりした声でそれに負けないバランスでした。

実は、今週末は、同じLincoln Centerで、もうひとつ、オペラを鑑賞してしまいました。クリスマス・シーズンは、バレエ「The Nutcracker」を上演している、New York State Theaterで秋と春に上演されるNew York City Operaで、舞台を見たのは今回が初めて。Metropolitan Operaと比べると、劇場も小さくて、チケットも安く、知名度もずーっと落ちると思われます。今までは、どうせ観るなら世界最高峰を、と思って、New York City Operaは観たことがなかったのですが、Times Square Visitor Centerで半額になるクーポンがあり、ミュージカルと変わらない値段だったのと、ちょっと興味がある演目があったので、トライしてみました。
その興味があった演目とは、「Dead Man Walking」、Susan Sarandonがアカデミー主演女優賞を獲った映画と同じ原作を、オペラ化したものです。ティーンエイジャーをレイプして殺してしまった死刑囚と、そのペンフレンドで最後は彼の心に平安を取り戻す役割を果たすシスター(Susanが演じた役)との心の交流をメインに描いた作品ですが、最初の暗い森でのレイプ殺人のシーンや、最後の処刑シーンなど、結構、ショッキングなシーンもそのまま盛り込まれていました。ストーリーがわかっていたので、それに戸惑うことはありませんでしたが、セリフが全部歌、しかも英語なので、なんだかミュージカルみたいでした。題材が重い分、オーケストラの演奏と、クラシックな発声の歌があっていたのかもしれませんが、劇でもよかったのかな?とちょっと感じたりもしました。Metropolitan Operaと比べて、歌手の人たちが若そうな分、生き生きとしていて、この現代劇には合っていたような気がします。観客も、お洒落している人たちもいないことはありませんでしたが、ずっとカジュアル。ミュージカルを観るのと同じ感覚で気軽に楽しむオペラといったところでしょう。
このNew York City Operaをはじめとして、ビジターセンターでは、ブロードウェイ、オフ・ブロードウェイのミュージカルや劇のディスカウント・クーポンがたくさん出ています。今の時期は、夏休みが終わり、サンクスギビング・デーから始まる、ホリデーシーズンまでのちょうど間なので、比較的、劇場が空いているそうです。バラのクーポン券の他、「Aida」「Beauty and the Beast」「Cabaret」「Les Miserables」などのディスカウント・クーポン(45〜65ドル)と、人気の「De La Guarda」「Stomp」を含むオフ・ブロードウェイのチケットが35ドルで買えるクーポンが綴じ込まれた写真の冊子も置いてありますので、ぜひ、ご活用ください。残念ながら「Lion King」は対象外ですが、以前のように、全然チケットが手に入らないということはなくなったので、チケット購入にトライする価値はあり。これをゲットしたわが家でも、早速、「42nd Street」のチケットを購入、始まったばかりの芸術の秋は、まだまだ続きます!
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- 9月25日(水) テレビ番組の新シーズン
最近、街中を歩いていると、めっきり目立っているのが、新しいテレビ番組の広告。その中でも、いちばん目を引くのが、Times Squareの一角ににデーンと大きなポスターがある、映画がメインのケーブルテレビ局、
HBOの人気ドラマ「Soprano's」のものです。New Yorkでは、通信事情がよくないので、ほとんどの家庭がテーブルテレビに加入していますが、HBOはその中のスタンダード・サービスには含まれておらず、受信するには、オプションで追加料金を払わなくてはなりません。わが家は、New Jerseyに引っ越した後、ケーブルに再加入する際、最初の1ヶ月が受信無料だったことから、HBOを見始めました。そうしたら、ロードショー映画が普通のネットワークチャンネルよりずっと早く、しかも、コマーシャルなしで見られるということに加え、オリジナルのドラマやテレビ映画がなかなか面白い!結局、そのまま、無料期間が終わっても、受信し続けています。1ヶ月の受信料は、$6.95。NHKの衛星放送が見られるTVジャパンよりも安いですしね。
その、HBOのオリジナル・ドラマの目玉のひとつが、この「Soprano's」で、わが家のすぐ近く、New JerseyはHobokenというところに住んでいる、イタリアン・マフィアのSoprano一家の物語。いってしまえば、ギャングもののドラマなのですけれど、今までのギャングものと大きく違うのは、刹那的な争いやあこぎな商売という、ギャングの世界だけではなくて、意外と普通である彼らの家族にも焦点を当てていること。ギャング・ドラマとファミリー・ドラマ、一粒で二度美味しい!というところが人気の秘密?でしょうか。他の番組よりちょっと早めの9月15日のシーズン・プレミアでは、過去最高の視聴率を記録したとかで、滑り出しは絶好調。でも、やっぱり、ちょっとギャングの世界が苦手な私は、このドラマと同じ時間帯(日曜日、夜8時〜)の放送枠を1年間でシェアしている「Sex and the City」の方が好み。SATC(と日本ではいうそうですね。)は、8月で今シーズンのエピソードが終わり、次回は、きっと冬以降なのだと思います。ただ、今、主役のSarah Jessica Parkerに加え、ミランダ役の女優さんも妊娠中。メンバーがスタイルを取り戻してから?となると、もうちょっと先になるのかもしれませんね。
新シーズンといえば、新番組が始まるとともに、例えかつては人気であったとしても、視聴率が稼げなくなった番組が消えてしまう季節でもあります。ちょっと寂しいのは、一世を風靡し、日本にも輸出された、クイズ番組「Who Wants To Be A Millionaire?」の終了。違う局に移り、司会者も代わって放映されるらしいので、厳密にいえば、番組としては存続されるのですが、あのRegis Philbin (アメリカ版みのもんた!?) の「Final Answer?」じゃなければ、意味がありません。去年くらいから、クイズ挑戦者を選ぶ、早押しクイズでなかなか正解者が出なかったり、かなり少ない金額で玉砕する人が続出するのを見て、出場者の質が落ちたなーと思ってはいましたが、やっぱり、もう、人気は落ちていたのですね。リニューアル版の「Millionaire」は、全国ネットではなく、ローカルのCBSで放映されます。
そして、忘れちゃいけないのが、いよいよ最後のシーズンとなってしまった、「Friends」!こちらでは、9年目のシーズンとなります。日本では、2シーズンほど遅れているのではないかと思うので、ちょっとネタばれになってしまいますが、5月に終わった先シーズンの最後で、Jennifer Aniston演じるレイチェルは、無事、赤ちゃんを出産しました。その熱演が評価されて、先日、授賞式があった、テレビ番組のアカデミー賞、54th Annual Emmy Awardsでは、見事、コメディドラマ部門の最優秀主演女優賞を受賞しました! 「Friends」びいきのNew Yorkでは、Daily News以外も、翌日の新聞は、ほとんど彼女のこの写真が一面。まだまだ、アツアツのブラピ夫人として有名ですが、最近は、独立系の映画などにも出演して、レイチェル以外のイメージ作りも始めている彼女。きっと、ドラマ終了後のオファーもかなり舞い込んでいるに違いありません。
そして、キャスト全員が大喜びしたのが、授賞式の最後に発表された、Outstanding Comedy Series(最優秀コメディ・ドラマ)を、この番組が受賞したこと!8年間、絶大なる人気を保持しつつ、今まで受賞したことはなかったのだそうです。主役の6人はじめ、ディレクターや脚本家、大人数が舞台に上がり、喜びを分かち合っていました。中継を最後まで見ていた私もテレビの前で思わず大拍手。ちなみに、最優秀ドラマは同じ、NBCの「The West Wing」が受賞し、前出の「Soprano's」は今年は無冠でした。そうそう、「The West Wing」は10月から、日本でもNHKで放映されるらしいです(邦題:ザ・ホワイトハウス)。英語が難解な政治ドラマゆえ、私もあのドラマは日本語で見たいなーと、ちょっとうらやましく思ってしまったのでした。
「Friends」はじめ、大方の人気番組は、今週が新シーズンの始まりで、待ちに待った新しいエピソードが放映されます。もうすっかりプレーオフ進出チームが決まり、つまらなくなりつつある野球観戦はお休みして、今週の夜は、ドラマの見落としがないよう、テレビ欄のチェックに余念がないのでした。
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- 9月22日(日) 週末ブランチの人気店
9月になってから、朝晩は涼しくなったものの、まだ、日中は結構暑いときも多くて、30℃近くまで気温が上がっています。でも、23日の秋分の日をもって、アメリカでも季節は秋に変わります。週末に訪れた公園では、すぐ近くを車が激しく行き交う騒然さにめげず、コスモスが可憐な花を風に揺らしていました。こちらでは、いろいろな場所から花を仕入れてくるからか、それとも種類がちょっと違うのか、店先に並んでいる花の季節感は、日本とちょっとずれていることがあります。例えば、大輪のヒマワリの束は、今でもたいてい店頭にありますし、日本のよりずっと色が薄いアジサイは、初夏というより盛夏から登場し、今でも鉢が置いてあるところが多い。でも、道端に自然に咲いている花々の季節感は、結構近いかもしれませんね。
さて、秋といえば、やっぱり食欲の秋!歩き回るのが億劫だったり、なんとなく食欲も落ちがちな夏と違い、評判のお店にトライしてみたり、新しいお店を発掘してみたりしたくなるシーズンです。気軽に試せる平日のランチに加え、皆が大好きなのが、週末のブランチ。朝食と昼食を一緒にしてみたいな軽めのメニューが中心です。New Yorkのレストランは、平日は、ランチの営業の後、ディナーが始まる5時くらいまでは、お店をいったん閉めてしまうところがほとんどなので、中途半端な時間に、ちょっとなにか食べたいと思うと、ファーストフードやデリ以外のレストランを探すのは、意外と難しいものなのです。でも、週末のブランチなら、4時くらいまでずっとお店が開いているのも魅力。
で、このブランチをやっているお店が豊富にあるのが、
Cenral Parkの西側に当たるアッパーウエスト・エリアで、中でも、70〜90th StreetのAmsterdam AvenueとColumbus Avenueは、オープンエアのテーブルがあるレストランが本当にたくさんあります!その中の人気店というと、まず、ウシ柄のフードが目を引くGood Enouth to Eat。外観のイメージ通り、素朴なアメリカのおふくろの味的料理が評判のお店です。前から一度行ってみたかったのですが、いつも混んでいて断念していました。でも、最近、行列がそんなに長くなかったので、意を決して、ようやくトライ。2人だと、意外とすぐ入れることもわかりました。店内は、わりと狭くて、丸太小屋みたいな雰囲気で、あちこちにウシやニワトリなどの置物が置いてあります。バーカウンターのところに掲げてある、ウシのドライバーライセンスがカワイイ。
席に着くと同時におかわり自由のコーヒーをお願いして、やっぱり、おふくろの味といえばコレ!パンケーキをオーダーしました。私が頼んだのは、ストロベリー・パンケーキだったので、大きめのパンケーキ2枚に、形が残る軽く煮たイチゴがのったものに、ハンバーグみたいなソーセージとスクランブルエッグ。右上は、パンと一緒に最初に出てきたイチゴ・バターで、パンケーキにはメープル・シロップが付いてきます。味は、本当に素朴な味。カロリーも多そうですが、たまには、こんないかにもアメリカっぽい食事もいいかも。新鮮な卵と牛乳を使っているに違いなく、さすがに、量はちょっと多かったけれど、油っぽさとかしつこさはあんまり感じませんでした。並んで待っていた分、じらされてお腹が空いていたということも、あるかもしれませんけれどもね。これで、ひとり10ドル程度というのは、なんだかおトク感。それも人気の秘密なのでしょう。
さらに、この週末には、久しぶりに、これも大人気店のひとつ、Sarabeth'sでブランチしてきました。「Have Fun!!」のお土産特集でご紹介している、美味しいジャムを作っているお店のレストランです。アッパーイーストにもレストランがありますが、やや高級そうなので、私たちはこちらのウエストのお店しか行ったことがありません。同じく、Amsterdam Avenueにあって、週末ブランチの行列はご覧の通り!ただ、こちらの方がお店の中は広くて、内装もきれいです。お店の人に聞いたら、待ち時間は35〜45分といわれたので、リストに名前を残し、近くをフラフラ歩き回り、お店を覗いたりして30分ほどで戻ってきたら、すぐ入れました。

白を貴重をした明るい店内には、絵皿が壁に飾ってあったりして、いかにも女性好み。メニューも、そのものズバリおふくろの味というより、ちょっとファンシーな感じです。今回は、秋らしく、パンプキン・ワッフル(写真左)を頼んでみました。カボチャの練りこんだワッフルに、レーズンとカボチャの種を炒ったものがのっていてそれなりに美味しかったのですけれど、味が単調なので、ちょっと飽きてしまいました。そういう意味では、夫の頼んだ、定番、エッグ・ベネディクト(写真右)は、はずさない美味しさ。ちょっと交換して食べさせてもらいました。
どちらのお店も、とびっきり美味しいかというとそうでもないのかもしれませんが、お店の雰囲気もいいし、店員さんも感じがよいです。素朴な味ならGood Enough to Eat、ちょっとお洒落に決めたいならSarabeth'sといったところでしょうか。ただ、どちらも人気店なので、New Yorker気分を味わえる週末のブランチは、とにかく混むので行列覚悟は必至!行列を避けたいのなら、朝、10時前とか早めに出かけるか、そんなにメニューが違わない平日のランチがおすすめです。早起きできなくて、とりあえず行ってみても、意外とすんなり入れる場合もあったり、近くにほかのお店もたくさんあるので、わが家では、「週末ブランチは、アッパーウエストへ」が最近の定番になりつつあるのでした。
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- 9月18日(水) Back to Normal 〜1周年を過ぎて

テロ1周年が過ぎてから、初めて、グラウンド・ゼロを訪れました。最近は、この事故現場を指すときに、グラウンド・ゼロという呼び方よりも、再開を期してWorld Trade Center Site、略してWTC Siteといわれることが多いようです。今まで、ただフェンスに覆われていた、現場すぐ東のChurch Streetの歩道がきれいに整備され、一角には、犠牲者の名前を記したMemorial Wallが掲げられていました。その後方に見えるのは、9/11のセレモニーに合わせてビルの壁面に掛けられた、巨大な星条旗のハートマークが描かれポスター。そして、ひときわ目立っていたのが、地下鉄の入口でした。ずっと閉鎖されていたCortland Streetの駅のうち、 N , R , W ラインの駅が再開されたのです。よって、WTC Siteを訪れるときの最寄駅は、ここということになりますね。 1 , 9 ラインの駅は閉鎖されたままですが、寸断されていた路線は復活し、ふたつの路線は、元通りSouth Ferryまで開通しています。これに伴い、 2 , 3 も以前の通り、Manhattan内は急行運転に戻りました。1年経って、あれだけ破壊されてしまった地下鉄の路線が、ほとんど全て元通りに戻ってしまったなんて、よく考えると、結構すごいことなのではないかと思います・・・現在の地下鉄路線の詳細は、Metropolitan Transportation Authorityで、ご確認ください。
南側のLiberty Streetのところから、金網ごしに現場の様子を見ることができるのは、今までと同じです。見るたびに、建物の基盤みたいなものが作られているのですが、写真の右端に少し見えているコンクリートの壁、これが、地下鉄を通すために作ったトンネルなのだそうです。元の線路がどこをどのように通っていたのかは、よくわかりませんが、いずれにせよ、ビルの崩壊とともに大きなダメージを受けたのは事実。それを少しでも早く復活させるために、脇によけたところに線路を作ってしまったのでしょうね、きっと。
現場付近の大きな変化はこれだけではありませんでした。Liberty Streetを西に向かって歩いていったところに、今までなかった周囲を覆われた階段があり、さらにその通路は、道路を挟んで西にあるWorld Financal Centerへと続いているのでした。
そして、建物に入り、ちょっとしたショッピングモールを通り過ぎると、こちらも、1年経ってようやく復活したアトリウムWinter Gardenがぱっと目の前に開けました。建物の骨格自体は無事だったものの、ガラスはすべて砕け散り、大理石の床もかなりダメージを受けてしまったのだそうです。それらを全て新しく張り替え、目の前にある空間は、何事もなかったかのように、見事に元通りでした。WTCがあった頃は、タワーのひとつの2階から通路が伸びていて、たいてい、その通路を通って、直接、アトリウムのWinter Gardenへと入っていたものでしたが、もちろん、それはビルの崩壊とともに使えなくなり、アトリウムの東側の通路があった部分も、全て、ガラス張りの壁になっていました。
そこからは、WTC Siteの全貌を見渡すことができます。このガラスを挟んで、すっかり元通りになったこちら側と、何もなくなってしまった向こう側、その景色の差に、ちょっと戸惑いを覚えてしまいます。かつては見えなかったはずの、WTC Siteのさらに向こう側にある、ディスカウントショップCentury 21のビルまでしっかり見えてしまう、その見通しのよさが、また、寂しい気持ちをよみがえらせました・・・Winter Garden周辺のお店は、まだ、全部が営業再開していないものの、Starbucksなど、飲食関係はじめ、いくつかのお店は、すでに元通りに営業しています。10月からは、これも元通り、このスペースで行われていたダンスなどのアートイベントも再開されるようなので、スケジュールなどは、http://www.worldfinancialcenter.comでチェックしてみてくださいね。
地下鉄、Winter Garden、そして、最後に、Back to Normal( = いつも通りに戻る)の象徴ともいえるのが、Empire State Buildingのライトアップ。事件後、初めて明かりが灯ってから、1周年の9月11日迄、なにもないときのライトアップは、赤白青の星条旗色でした。今こそ、皆で力を合わせてこの危機を乗り越えようという一体感を示すため、そのシンボルである星条旗の3色で、New Yorkの夜を照らし続けてきました。それが、ついに、白一色のライトアップに戻ったのです。もしかしたら、もう、ずっと普通のライトアップには戻らないのかな・・・と思っていたので、このライトアップを見たときには、懐かしさとともに、もう、普通の状態に戻ったんだという安堵感みたいなものを感じました。去年は、途中で中止されてしまったファッション・ショーMercedes-Benz Fashion Week 2003 Springも、23日まで開催中ですし、同じく、事件直後ということで中止になってしまった、イタリア系の人々のお祭りFeast of San Gennaroも、Little Italyに戻ってきました。
衝撃的な事件からこれまで、常に、あのとき受けたダメージからの復活を意識して過ごしてきた1年だったように思います。あの事件のことは決して忘れないけれど、いつもいつもそればかりを考えている状態からは脱却し、これからは、なにかのタイミングで思い出すように、少しずつ変わっていくのでしょうね、街も、人も。
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