WHAT'S UP ?
in New York 
August, 2002 ![]()


このところ、ずっとスポーツファンの気をもませていた、Major
League
Baseballのストライキですが、選手側が定めた期限を半日ばかり延長した、今日、30日の正午過ぎ、ようやく、オーナー、選手の労使双方が合意に達し、ストライキは回避されました!
新聞でも、最近は、試合結果よりも大きく、「ストライキをしないで!」というファンの掲げるボードなどが大きく取り上げられており、期限の30日午前0時ギリギリまで、New
Yorkのミッドタウンにあるオフィスで話し合いが続けられていました。結局、期限内には合意に達しなかったものの、さらに30日のデーゲーム開始時間(東部時間午後2時)までに結論を出すということで、交渉は延長戦(Extra
Innings)に突入していました。左のNew York Daily
Newsの1面はそれを報じるもので、このことから、周囲では、双方の言い分が合意に近づいているのではないかという楽観的な見方がぐっと増えました。今朝も、朝から、各局のレポーターたちが、話し合いの行われているビルの前に陣取り、「まだ、進展はありません。」という報告を繰り返していましたが、延長打ち切りギリギリになって、予想通り、なんとか合意に達したようです。
今日の合意で、無事、ワールドシリーズ終了まで、すべての試合が予定通り行われることになったわけですが、New
Yorkの野球ファンの反応は、ちょっと対照的です。まず、8月に12連敗を喫し、一気にリーグ東地区の最下位に沈んでしまったNew York
Metsのファンは、「どうせ、野球が続いたって、楽しいことなんてないんだから、そろそろ始まるフットボールシーズンが楽しみさ!」という具合で、今シーズンに関してはすでにあきらめモード。連日35℃を超える暑い日々が続いた頃、テレビのトークショーで「New
Yorkは今、本当にホットなんだけど、New
Yorkで唯一ホットじゃあないのってなんだか知ってる?それはメッツだよ。」なんて、言われてしまう始末。野球中継を見ていても、しょっちゅう、ピッチャーマウンドに集まって相談する光景ばかり見せられんじゃあ、たまりません。活躍を楽しみにしていた小宮山
悟投手も、マイナーに送られたままだし、一応、渡米以来、メッツファンのわが家でも、負け試合を見るのも面白くないので、自然と試合中継を見ないようになってしまいました。今年は、お金をかけて選手の補強もしたし、シーズン前は、一応、優勝候補なんていわれていたのに、どうしてこんなことになってしまったのでしょう・・・?
これに対して、リーグ東地区の首位を独走中、今年こそ、ワールドチャンピオンの座を奪回しよう!と意気盛んなNew York
Yankeesのファンは、絶対、シーズンを途中で終わらせてほしくないと切に願っていたので、この決定には大喜び。8月になってから、12打席連続ヒットの記録を作り、ついには、ここのところやや不調気味のイチローを抜いて、一時は首位打者になった絶好調の主砲Barnie
illiams(写真左)はじめ、打撃陣がますます好調。この調子なら、去年チャンピオンの座を明け渡してしまったArizona
Diamondbacksの誇る強力投手陣にだって打ち勝てると自信満々だっただけに、ここで打ち切られてしまうのは悔しい限り。これで、ますます、応援に熱が入ることでしょう。
そろそろ8月も終わり、New
Yorkの夏も終わりに近づいてきました。なんだかすっかり郊外づいている?最近、Manhattan以外の話題が続いていますが、また、New York
Cityながら、かなり遠いところまで出かけてきました。夏が終わってしまう前に・・・と、雨が上がった日曜日に出かけたのは、Manhattanの東、Long
Islandという島の西南に位置するConey
Island。大西洋に面した海辺の町は、ビーチがあって、桟橋があって、昔ながらの小規模な遊園地があって、古い映画などにはよく登場している名所。ところが、あちこちに新しい遊園地やアトラクションが出来ると、人々は魅力が薄れたここから離れ、ここ数年は訪れる人もめっきり減っているという噂でした。このままでは、いけない!と町の人々や市などが協力し、再開発されたのが、ごく最近のこと。海辺に新しいボードウォークを作り、昔ほどではないにしても、夏場は、近隣住民や、ぼちぼち観光客も訪れるような場所に復活してきたようです。
Coney Islandに行ったら、MUSTともいえるのは、
やっぱり、名物、Nathan'sのホットドッグを食べること!日本人が連続優勝している、独立記念日の大食いコンテストを主催しているお店で、あの大会もこの付近で行われています。地下鉄の駅を降りると、すぐ目の前にデンと大きな店があるので、見逃しようはありません。私たちも早速、列に並んでホットドッグとフライドポテトなどを買い、お店の横にあるテラスで食べました。壁面に、大きな星条旗とホットドッグの絵がかかれたオープンエアのテーブルでは、まぶしい日差しの下、老若男女が揃ってホットドッグにパクついていて、なんだか壮観でした。Nathan'sは、ドライブインや空港なんかにも出店を出しているので、前にどこかで食べたことがあったような気がしますが、やっぱり、本家本元ということと、夏に外で食べるととっても美味しい!普通のホットドッグで$1.8くらい、トッピングをのせたもので$2ちょっとくらい。100%ビーフのソーセージが塩気が効き過ぎず、いい感じ。ケチャップとマスタードは、お店の前にポンプで置いてあるので、好きなだけかけることが出来ます。
それから、忘れちゃいけない名物は、創業75周年を迎えた!木製のジェットコースターCyclone。その古さと、今でも立派に動くことから、市のランドマークにも指定されています。今は、Astrolandという遊園地が運営していますが、乗り物券などは別。これも、絶対乗らなくちゃ!と意気込んでいたので、ホットドッグを食べた後、まっすぐに看板の方に歩いていき、入口でひとり$5の乗車券を買って乗り込みました。しょせん、昔出来たものだし、今の絶叫マシーンなんかに比べれば全然軽いはず・・・と甘くみていましたが、どうしてなかなか。乗っている車両は小さくてガタガタいうし、短いわりには高低さがあって、スリル度はかなりのものでした。1周した後、コースターから降りずに続けて乗ると、2回目は$4になるから、2回くらい乗ってちょうどよい!と豪語していた夫も、1回でギブアップ。ジェットコースター好きの方は、ぜひぜひ、お試しください!この隣にも、大きな観覧車があるWander Wheel
Parkという遊園地がありますが、どちらも規模は小さく、お子様向け。ストリートフェアでお目にかかるような射的のブースが並んでいたり、乗り物類も最新式という感じでもありませんでした。逆に、小さい子供たちを連れた家族連れには人気でした。
先週のStaten
Islandに引き続き、私たちのもうひとつの目的は、こちら、マイナーリーグの野球観戦でした。ビーチのすぐ近くにあるKeyspan Parkという球場は、New
York Metsの傘下の1Aのチーム、Brooklyn
Cyclonsの本拠地。チーム名は、もちろん、名物のジェットコースターから取ったもので、球場のスコアボードもご覧の通りの形。遠くて写真にはよく写りませんでしたが、このスコアボードの左手後方には、本物のCycloneが見えていました。Brooklynといえば、現在は西海岸に本拠地を移してしまった、野茂、石井両投手が所属しているLos Angeles
Dodgersが本拠地としていた場所。人々の野球好きは根強いものがあるのに、それ以来、地元チームがなく、不満気味だったのを解消したのが、このCyclonesというチームの新設でした。熱狂をもって迎えられた、初年度の去年、テロ事件で打ち切りがあったとはいえ、所属するリーグのチャンピオンになり、Brooklynの野球応援熱に火をつけた形になりました。
観客席は、この手の球場にしては多い、10,000席近くあるようでしたが、チケットは完売状態。入口付近でダフ屋ではなく、行けなくなった地元の人らしき人たちがチケットを売っていましたが、当日券はナシ。私たちも数日前にインターネットで定価より高く購入していたのでした。それだけに、応援の仕方もかなり強烈!ヤジも激しいし、微妙な不利な判定には、すかさずブーイング。シーズンチケットを買っている人がものすごく多いようで、マイナーリーグながら、選手についてもいろいろ知っているファンが多いようでした。マスコットは、カモメのSandyクン。アトラクションがあるときはグラウンドに、試合中は観客席のあちこちにと、絶え間な移動して活躍していました。球場から、海はほとんど見えませんが、吹いてくる海風はここちよく、夕方からのゲームだと、そろそろ羽織るものが欲しいような涼しさでした。この試合も、2本の場外ホームランなど打線の活躍に、完璧な投手リレーで完勝!ビールでさらに興奮度が高まった熱狂的ファンも大満足の試合でした。
この他のアトラクションとしては、水族館New York
Aquariumもありますが、規模は小さく、こちらもお子様向け。Coney
Islandは、New York Cityの中では、南東の端に近く、Manhattanからの距離は結構あります。地下鉄だと、 Q
か W
の終点で、Times
Squareから、ほぼ1時間かかります。夏場に出かけるのは、まずまず楽しい場所かもしれませんが、スケジュールがタイトな旅行でいらした方には、正直、どうかな?というところ。再開発されたといっても、観光客より圧倒的に地元の人が多く、ざわざわした感じと、ゴミが散らかっているような、ちょっと柄が悪いような雰囲気は否めません。さすがに、日中に凶悪犯罪が起こるような危険さは全くありませんが、混み合った場所では、やっぱり、スリや置き引きは多そうな感じがして、思わずカバンをしっかり抱えてしまったりしました。ただ、時間に余裕のある方や住んでいる方は、夏に一度くらい出かけてもいいかもしれません。マイナーリーグ観戦なら、こちらより、近くてチケットも手に入りやすいStaten Island
Yankeesの方をおすすめしますが、ジェットコースターとホットドッグは試す価値あり!だと思います。
New
York的には、とっても残暑が厳しかった先週に比べ、だいぶ過ごしやすくなった今週、また、Manhattanを通り過ぎ、地下鉄で、Queensへ出かけました。今回は、7の地下鉄に乗りましたが、地下鉄も、Quneesに入るとご覧の通り、高架電車になります。ちょうど、映画「Spider-Man」で、主人公が暮らしていた設定がQueensだったので、この周辺で撮影したという話も聞いています。
入口からして、なんだか倉庫みたいと思っていましたが、中に入ってみると、ホントに倉庫でした!雰囲気としては、有明ビックサイトとか、東京ドームとかの広いエリアを仕切って、見本市とかをやっているような感じ。白い壁で仕切ったり、スロープを作ったりしていましたが、やっぱり、美術館というより、あくまで仮の展示場といった印象は否めません。ピカソやゴッホ、マチスといった名画の数々は、「To Be Looked At: Painting and Sculpture from the
Collection」として、常時展示されています。ただ、スペースが少ないので、多少、入れ替えがあるのかも?しれません。場所は素っ気なくなったとしても、世界的に有名な作品の価値が落ちるわけではないので、この常設展のところには、やはり、いちばんたくさん人がいました。
この他、現在開催されている特別展は、美しいフォルムを持つ自動車を展示した「Autobodies」(写真左)と、「時間」をテーマにマルチメディアを使ったアートが集められた「Tempo」(写真右)。自動車の方は、これらにクラシックカーや、F1グランプリに出てくるようなスーパーカーがあって、確かにカッコいいけれど・・・といった感じ。マルチメディアは、結構凝ったものが多くて、写真の左側の大きな時計の文字盤は、線路の上に乗っていたし、奥の壁に掛かっているのは、大量の時計とハンマー(?)で、詳しい意味は不明ながら、なんとなくテーマはわかるかな?というくらい。どちらも展示も、スペースを要するものなので、展示数自体は少なめでした。
余力のあった私たちは、ここから地下鉄だと2駅の45Road Court House
Squareのすぐそば、歩いても行ける距離にあるP.S.1 Contemporary
Art Centerまで足を伸ばしました。「P.S.」というのは、Public
Schoolの略で、New
Yorkの公立学校は、「○○小学校」という固有名詞ではなく、この後に番号が付いた「P.S.○」というふうに呼ばれています。つまり、ここは、もともと、学校だった建物で、それをアートの展示スペースとして利用しているのでした。
いかにも校舎らしく、中はちょっと複雑な作りになっていて、階段があちこちにあります。いくつかの教室をぶち抜いて広いスペースにしてあるところもありますが、どこも、入口は元のままなので、狭くて、中になにが展示してあるのかは、のぞいてみないとわかりません。今のメインの展示は、「Mexico City: An Exhibition about the Exchange Rates of Bodies and
Values」というタイトルで、メキシコのアーティストたちが、貧困さから来る暴力や誘拐事件などの、都市が抱える問題をテーマにした作品を集めたもの。報道写真あり、ビデオあり、オブジェありと、いろいろな手段で、それを表現していました。モダンアートって、もともと、そう見えてしまうきらいはあると思いますが、展示してある場所が場所だけに、なんだか、高尚なアートを見ているというより、学校の生徒たちが作った作品を文化祭で見ているような印象を受けました。係員の人たちも、おそろいの白いTシャツを着た、いかにも、アルバイトやボランティアといった感じの若者たちばかり。まあ、逆に、それが親しみやすくていいのかも?しれませんけどね。こちらの入場料は、目安が$5の任意の寄付制。学生が$2なので、最初から1ドル札2枚しか出さない人もいました。
本当に蒸し暑かった週末、かねてから行ってみたかったStaten
Islandへ、フェリーで出かけました。Manhattanの南にあるこの大きな島は、位置的にはNew Jerseyに近いのですけれど、New
York
Cityの一部で、Manhattan・Bronx・Queens・Brooklynと並ぶBrough(区)のひとつになっています。Brooklynとの間には、橋が渡されているのですが、かなり距離のあるManahattanとの間には、橋もトンネルも通っていないため、人々の交通手段は、この黄色いStaten Island
Ferry。映画などにもしばしば登場していますし、Statue
of
Liberty(自由の女神)観光のときに、横を通り過ぎて行くのをご覧になった方も多いと思います。フェリー乗り場は、Manhattanの最南端、South Ferry
Terminalですが、現在は乗り入れていた地下鉄1、9ラインが、テロ事件の影響でここまで来ていません。なので、最寄駅は、N、RラインのWhitehall
Streetになります。あるいは、バスM1(平日のみ)、M6、M15の終点。

フェリーで30分弱、せっかく、Staten Islandまで行くのですから、そのまま引き返すのはもったいない!と、船着場のSt.
Georgeから歩いて行ける野球場で、マイナーリーグの観戦をすることにしました。ここを本拠地にしているのは、New York Yankeesの傘下、1AのチームStaten Island
Yankees。1Aは、大リーグのすぐ下の二軍にあたる3Aの下の2Aのその下なので、レベルとしては、学校を出たばかりのプロになりたての選手たちが多いチームです。有力選手は、1Aをパスしてしまうことも多いので、高校野球よりちょっと上といったところでしょうか。大リーガーと比べると、背はあっても体はずーっと細いマイナーリーガーたちですが、ユニフォームは本家と同じピンストライプだし、胸には、ちゃんとYankeesの文字が。細かい連携プレーでミスがあったりしましたけれど、そこはやっぱりプロ、どうしてなかなかレベルの高い試合を見せてくれました。スコアボードのすぐ後ろを大きな貨物船が通ったり、フェリーが桟橋に着くとその煙が漂ってきたりするのは、海辺のスアジアムならでは。観客も皆、真剣に野球観戦するというより、ホットドッグやビール、アイスクリームなどを買い込んできて、半分、ピクニック気分といった感じでした。
ダイヤモンドをかけっこしたり、的当てゲームをしたりと、観客が参加できるアトラクションがたくさんあるので、YankeesのTシャツやユニフォームを着たチビッコたちがたくさん!ネット裏付近の内野席が$10、外野に近い席で$8という手軽に来られる値段も魅力ですよね。1Aのリーグは、6〜9月までの夏の時期しかやっておらず、シーズンチケットでも$300台と手ごろなので、結構売れているみたいで、前の方の席はかなり埋まっていました。私たちは人数が多かったので、前日にオンラインでチケットを買って行きましたが、少人数なら当日券でも十分大丈夫。野球観戦したいのだけれども、チケットは高いし、小さな子供がいるし・・・なんていう方にはぴったりです。試合開始時間は、原則として、月〜土は7時、日曜日は5時。試合数はそんなにないので、Staten Island YankeesのHPhttp://www.siyanks.comでチェックしてみてください。尚、ここからチケット購入も可能です。また、フェリーの運航スケジュールは、http://www.silive.com/commuter/から。
ここに来て、日本の残暑も真っ青の記録的な暑さになってしまったNew York。8月も下旬に入りつつあるというのに、98°(約37℃!)という、この夏最高の暑さになったりしているのですから、これはちょっと異常。お店のショーウィンドウには秋物が並び、雑誌の特集は、深い秋色のメイクだったり、コーデュロイの着こなしだったりするのに、そんな気分に全然なれない蒸し暑さです。通常、夏の終わりは9月上旬のLabor
Dayとされていて、今年は9月2日。その頃には、かなり秋めいてくるのではないかと思っているのですが、どうなんでしょうか?旅行を計画されている方は、引き続き、The Weather
Channelなどで、気温をご確認くださいね。

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