★ Italy Travel Report ★

9月27日(水) (続き) 晴れ ヴェネツィア <Part 3>◆このページをとばすときは
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GallerieDellAccademiaVaporettoに2停留所分だけ乗り、木製の大きな橋Ponte dell'Accademia(アカデミア橋)のたもとに到着。ここにあるのが、もともとは美術学校(=アカデミー)で学ぶ生徒のために収集した絵画が主体となって出来た美術館、Gallerie dell'Accademia(アカデミア美術館)です。19世紀初頭にできたこの美術学校は、すぐ近くにあった協会の建物やScuola(同信会館)の建物などを合体して作ったそうで、美術館の入口があるこの白い建物は、さっき訪れたのと同じ同信会館だった部分。確かに四角ばったしっかりした作りはそっくり。
この美術館の所蔵品は、14〜18世紀のまさにヴェネツィアン絵画がもっとも栄華を極めた時代のものが主で、加えて、ナポレオン統治下におかれた時代には、美術品没収を逃れるために、この場所に数々の名作が集めて隠されていた(?)という事情もあったそうです。
ここでも印象に残った作品を何点かご紹介します。(『作品名』をクリックすると説明がご覧になれます。)
Processione del Doge in Piazza San Marco』(サンマルコ広場における聖体祝日の祭列)
Giovanni Bellini (1434/39-1516)
Convito in casa di Levi』(レビ家の正餐)
Paolo Veronese (1528-1588)
Incontro dei pellegrini col papa (Storie di sant'Orsola)』(ローマへの到着)
Vittore Carpaccio (1460-1526)
もちろん、所蔵されている絵は素晴らしかったのですけれど、直前に教会や同信会館などで、その場所のために描かれた絵をその場所で見るという贅沢(?)を味わってしまったせいか、なんだか美術館の白い壁をバックに飾ってある大作はちょっと魅力が薄れて見えました。特に、ヴェネツィアン絵画の大作というのは、基本的には個人の家に飾るようなちんまりしたものではないし、モダンなすっきりしたインテリアと合うものでもなく、ゆったりしたスペースに豪華な装飾とともに飾られてこそ、その威力を発揮するものということをとても強く感じました。

ここから運河沿いに歩いて行くと、途中に、現代美術のコレクションとしては有名なCollezione Peggy Guggenheim(ペギー・グッゲンハイム・コレクション)がありましたが、今回は、ルネサンス期のものばかり見ていて、ちょっと違うのでカットしてしまいました。SantaMariaDellaSalute
さらに歩き続け、半島部の突端になっているようなところにある巨大なクーポラのあるChiesa di Santa Maria della Salute(サンタマリア・デラ・サルーテ教会)へ。この教会を作ることが決められたのは、ペストが大流行してしまった1600年代半ば頃。数千人の犠牲者が出てしまったペストが去った際には、それを感謝して聖母マリアにささげる教会を作ろうと決めたのだそうです。それで、対岸のPiazza San Marcoから見える姿を意識して、こんなに大きくて立派なクーポラのあるデザインを採用したのだとか。確かに、近くでみるとかなりの高さがあり、全然写真に入りきらなかったため、どんどんバックしているうちに、気付いたら、水べりのところまで来ていて、片足をドロ状の藻みたいなものの上に乗せてしまった私は、すっころんでしまったのでした・・・
すっころんだといても、尻モチを付くまでには至らず、膝を付いただけだったのですが、運悪く白っぽいチノパンだったため、膝のあたりにしっかりドロが。遠くにいる夫に助けを呼んでも来ないので、仕方なく、おしぼりウエッティでドロを拭き、入口まで戻って内部を見学しました。
転んで気が動転したため、ここの中はあんまり覚えてないのですけれど、この街には珍しく、妙にシンプルな内装だったのが印象的でした。ペストの沈静化を感謝するという少し厳粛な意味合いがあるのか、それとも外見だけにこだわって中はあんまり重視しなかったのか、それはよくわかりませんが、とにかく、外観の立派さと比べるとずいぶん質素な感じがしました。でも、入場料をしっかり取る奥の聖具室には、やはりJacopo Tintorettoの大作『Le Nozze di Cana』(カナの婚礼)や、Tiziano Vecellioの手がけた<天井画やメダル型の聖人画などがありました。

SanGiorgioMaggiore一度ホテルに戻り、ズボンを履き替えて気を取り直した後、再びVaporettoに乗って、今度はIsola di San Giorgio Maggiore(サン・ジョルジョ・マジョーレ島)という、広場の本当にすぐ向かいにある小さな島へ渡り、Chiesa di San Giorgio Maggiore(サン・ジョルジョ・マジョーレ教会)を訪れました。水辺に立つその美しい姿から、貴婦人にもたとえられるというこの教会を設計したのは、ルネサンス後期の天才建築家といわれるAndrea Palladio。その才能を如何なく発揮し、ちょうど真向かいにある総督の館Palazzo Ducaleから、最も美しく見えるように計算してあります。ただ、建築中に彼は亡くなってしまい、最終的に完成した見事な姿を目にすることはできませんでした。
TintorettoLastSupperこの教会の中で目立っていたのは、奥の聖歌隊席の両側の壁にある大きな絵。どちらも、またもや登場のJacopo Tintorettoによるものですが、500リラのコインを入れると絵にスポットライトが当たるしくみになっていて、それで鑑賞します。こちらは、彼の作風らしく、暗めの画面の中で、キリストのところから光を発しているように描かれている『L'Ultima Cena』(最後の晩餐)。この絵をはじめとする、教会内にいくつかあるティントレットの作品は、今日見たScuola Grande di San Rocco(サンロッコ同信会館)の一連の作品を仕上げた後、本当の最晩年の作品だそうです。光の使い方や構図などでは、相変わらずの技量を示しているものの、顔の表情など細かい部分が描かれていない作品が多いのは、そのためなのかもしれません。それにしても、これだけのいろいろな仕事をもらっていたティントレットが売れっ子画家だったということもさることながら、同じような時期に、こんなにもたくさんの教会、同信会などの建物を次々作っていたという当時の共和国のパワーもたいしたものです。

SanZaccariaそして、いよいよ今日最後の観光は、広場からすぐのところにある教会、Chiesa di San Zaccaria(サンザッカリア教会)。半円をいくつも重ねたような形の白く美しいファザードの部分が印象的な建物です。
ちなみに、昨日と今日1日、何回もVaporattoを使うことで学んだのですが、Piazza San Marcoの最寄としては、その名の通りSan Marcoという停留所があるのですが、ここは各駅停車しか停まらないので、あまり使えず、実際は、Canal Grande(大運河)を通るときはVallaresso、外回りの運河や島などに渡るときはSan Zaccariaという停留所を使うのでした。ガイドブックには、その辺が詳しく書いていなかったので、最初は遠回りの路線に乗ってしまい失敗しましたが、公共交通機関Velaの時刻表「Orario」を入手してすっかり把握したのが今日の午後というのは、ちょっと遅すぎで残念でした。
SanZaccariaで、話がそれましたが、とにかく、その停留所名なのが、この教会です。中は日差しが差し込んで、明るい感じですが、同じ敷地にあったこの教会の前身というのは、とても古くて9世紀くらいにはすでに完成していたそうです。この明るい本堂の部分から、Chiesa Vecchiaという旧教会に入ることができ、その礼拝堂の中に、やっぱりかというJacopo Tintorettoの絵が掲げてありました。
このあたりから、床が2層になっているのが見えて、下の床は大理石を組み合わせた見事な模様があるものの、水が染みた後があったりします。そして、さらに奥に進むと、石の階段があり、そこを降りるとガランとした部屋がありました。ここは、そのまま放置してあるのかは不明ですが、浸水してしまった納骨堂があったところのようです。そういえば、地球温暖化の影響もあって、人口干潟であるVeneziaは少しずつ陥没しているのですよね。その昔は、明らかに地上であったであろうところに残る浸水の様子は、それをしっかり思い出させてくれました。
Gelateriaここから、歩いてホテルに戻る途中、念願のGelatoを道端で買って食べました!前に何かで、本物のジェラートは、本物の果物とミルク(生クリーム?)しか使わないというのを読んだことがあったのですが、そこまでこだわりはないにしても、かなりの美味しさでした。イチゴとメロンの2種類を入れてもらったのですが、どっちもフルーツの味がしっかりしましたし、アイスクリームみたいにこってりしてないし。この後、他の都市でも試してみたところ、甘さが強くてずっとクリーミーなアイスクリームみたいだったりして、今思い返すと、ここで食べたのがいちばんでした。
ちょっとお腹に物を入れたら、わりとお腹が空いていることがわかってしまい、ついでに(!)、デリみたいなところで売っていたFocacciaという薄焼きのパンみたいなものに、トマトソースとツナみたいな魚をはさんだものも試してみてしまいました。こちらの方は、ずっと前に焼いたであろうものをガラスケースにぎっしり並べてあったので、お願いして温めてもらったら、なかなかいけました。でも、イタリアのパンって、ふっくらふんわりではなくて、薄くてもしっかりぎっしりのパンが多いので、見た目よりずっとお腹には貯まるような気がします。
朝からずっと動き回っていたので、かなり疲れていたのですが、ちょっと食べたらすっかり元気になって、ちょっと買い物をしに歩いてみることにしました。狙いは、昨日から時々お店をのぞいているヴェネツィアングラスのお皿。実は、この旅行中に結婚5周年を迎えるので、何か記念になるものを買おうと決めていたのです。イタリアだから、ジノリとかもいいかなーとも思ったのですが、気に入ったものがあれば、ここで買ってしまってもいいかもと思い始めていました。広場から少し裏手に入った通りで、ショーウィンドウにそれらしいお皿をいくつか並べているお店を見つけ、中に入って、他のものも見せてもらったら、今まで見た中で値段的にもいちばんリーズナブルだったうえに、わりと気に入った色合いのものがあったので、あんまり悩まず買ってしまいました。この街は正真正銘の観光地なので、英語を喋る人がいるお店がたくさんありますが、概してそうではないお店の方が値段的にはよいような気がしました。私たちが買い物をしたお店もそのひとつで、数字もわからないので、電卓をたたいて値段を教えてもらいました。そして、吟味して買ったお皿はこちら。よくあるタイプなんですが、色がちょっとシックなところが気に入りました。

HotelConcordia夕食は、昨日の夜にフラフラ歩いていたら結構混んでいて美味しそうだった、泊まっているHotel Concordiaの1階のところに入っているレストランでパスタを食べようと決めていました。8時前に出かけたのに、すでにかなり満席状態。イタリアンでは、Antipasto(前菜)、Primo Piatto(第1の皿)、Secondo Piatto(第2の皿=メインディッシュ)を頼んで、最後にはDolce(ドルチェ=デザート)で締めるというのが正式なオーダーの仕方というのはご存じの方も多いと思いますが、アメリカに比べれば一皿のボリュームは少ないここでも、よっぽどお腹をすかせて行かないと、やっぱりそれはちょっと厳しいかも。カジュアルだし、観光客の多いレストランだからなんでもOKかなと、私は、スープとパスタというプリモを2つオーダーしてしまいました。ボンゴレのトマトソースはまあまあ普通でしたが、美味しかったのが、Zuppa di Pesceという魚介類のたっぷり入ったスープ。ブイヤベースみたいな感じで、かなり魚っぽいので、魚好きの人にはとてもおすすめ。よくあるメニューなので、ぜひお試しください。広場に面しているこのレストランは、美味しさよりも立地条件のよさで混んでいたのかな?というのが正直な感想でした。
Venezia最後の夜なので、遅くまでにぎわっているPiazza San Marcoにあるいくつかのカフェのステージの演奏を楽しみました。席に座るとなにかオーダーしなくてはいけないので、立って聞いている人が多く、曲目が変わると人の流れがあったりします。たまにリクエストする客もいるらしく、遠くから「瀬戸の花嫁」が聞こえてきたときには、びっくりしました!やっぱりアメリカ人観光客は多くて、「New York, New York」のときは、人々が集まって大合唱が起きていました。
最後は、広場の中央ではなくて、港に近い方にあるGran Caffe Chioggiaというところで、お茶をしました。使っている銀食器やコーヒーカップなども同じようで、値段もわりといい値段でしたが、昨日行ったCaffe Florianほど気取っていないので、こちらの方がよかったです。加えて、夜だと羽根毛を散らすハトがいないのが、なんといっても快適でした。

Veneziaは、本当に時が止まってしまったような、まさに遺産として現代に残る都市でした。豪華できらびやかな建物の数々や、大きな絵画をはじめとする色鮮やかな室内装飾、今回は乗らなかったけれどゴンドラと、かつて栄華を極めた時代のものが都市ごとそっくり残っているというのは、やはりわざわざ訪れる価値のある街だと思いました。
今度は、現実離れしたVeneziaから、こじんまりしてはいるけれど、少し現実感を取り戻させてくれるであろう花の都Firenzeへと移動します。

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MilanoVeneziaFirenzeRoma
9月24日9月27日
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