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9月30日(土) (続き) 雨のち曇り ローマ <Part 1>◆このページをとばすときは
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StationSignboardこれが最後の電車の旅、ホテルをチェックアウトして、Stazione Centrale della Santa Maria Novella(サンタ・マリア・ノヴェッラ中央駅)へと出発時刻の30分ほど前には行きました。今回は、ここが始発ではないので、時間に余裕があった方がいいかと思い、早く行ったのですが、駅の掲示板にはまだホームの番号が表示されていません。それどころか、30分以上前の1本前のRoma行きの特急の表示が残っていました。おや?と思ったら、どうも今朝方の雨の影響でずいぶんと電車が遅れているようでした。これから乗るのも ここに来たのと同じく、Venezia発でFirenze経由、Roma行きのEuro StarVeneziaからは、あの水中にぽっかり浮かんでいるような線路を通るので、きっと多少の雨でも影響が出てしまうのでしょう。しょうがないので、他の大勢の乗客と同じように、空いているベンチを探して座って待つことにしました。TicketMachine
ヒマなので、順番に荷物番をして駅構内を歩き回ってみたりしましたが、そのときに発見したのが、ホーム入口のあたりの柱に掛かっていた自動改札機。人々がチケットを差し入れているので、私も真似してやってみたら、別に日にちが入るわけでもなく、ただチケットの隅っこにに小さい穴が中途半端に開くだけでした。そういえば、ガイドブックにここで刻印をしていないと、不正乗車と見なされてしまう場合があるから必ずするようにと書いてありましたが、今までは、やったことがありませんでした・・・電車の中で車掌さんが回ってくるので、そこで見せておしまい。チケットを回収されもしませんでした。どう見ても、イタリア語がわからなさそうな明らかな外国人だから、細かいことはあんまりうるさくなかったのかもしれませんね。
あとは、車体一面に落書きされたローカル電車(写真はこちら)や、出迎えに来た人たちと電車から降りてきた人たちが、イタリア人らしく、お互いの名前を呼び合いながら抱き合って再会を喜ぶのを見たりして、なんとなく時間をつぶしていました。
結局、電車は心配したほどは遅れず、30分程度遅れて到着。待っていた人々を乗せて、一路Romaへと向かいました。

RomaTermini約1時間半ほどで、Stazione Termini(テルミニ駅)に到着。この駅名は、イタリア語で「終着駅」という意味なので、少し古めかしいいかにもヨーロッパというイメージの駅を期待していたら、そこは、やはり大都会の交通要所とあって、思ったよりずっと近代的で新しく、人々が忙しそうに行き交っていました。
ホテルの場所も駅からすぐとわかっていたので、チェックインして荷物を置き、早々に観光に出かけることにしました。今回のイタリア旅行で、最大のスケジュールミスだったのが、ここRomaでの日程。ルネサンス美術を堪能するはずなら、絶対にはずせないMusei Vaticani(ヴァチカン博物館)は、日曜日は閉館、土曜日は午後1時過ぎまでしか開いていないのです。つまり、土曜日の午後に着いて、月曜日の早朝に発ってしまうという今回は、最初から、訪れることができないのがわかっていたのでした・・・日程を組むときに気をつけるべきだったのに、自分たちの間抜けさをのろいつつも、どうなるものでもないので、とにかく、今回はあきらめるしかありません。とにかく他の場所に行こうと、Terminiで地下鉄・バス共通の1日乗車券を買い、行動開始!
PalazzoBarverini最初に向かったのは、昔の邸宅を改装して美術館として公開しているPalazzo Barberini(バルベリーニ宮)ことGalleria Nazionale d'Arte Antica(国立絵画館)。有名な絵画、彫刻は全てVaticanに集中してしまっているので、作品数や規模はたいしたことないのでしょうけれど、ここには見たい絵があったので、迷わず訪れました。
LaFornarinaその絵というのは、Raffaello Sanzioの『La Fornarina』。ラファエロが恋人の女性を描いたといわれていた絵の1枚で、腕輪の部分には彼の名前まで書き込んであるということで、「ラファエロの恋人=フォルナリーナ」という説は、おそらく今でもとても有名。入口から、楽しみに探しながら歩いていたら、ほどなく見つかったのは、大きく空いた壁のスペースと「ただいま貸し出し中(たぶん)」というイタリア語の注釈が付いたポスターだけでした・・・このために、この美術館に来たのにと思って、とてもがっかり。なんだか、今回はRomaでの美術鑑賞は、ことごとく失敗の模様。
気を取り直して、他の絵も一通り見ましたが、ここもちょっと気になったのが、採光の点でした。やはり、邸宅なので、比較的たくさん窓があり、それらの窓が開け放たれていると、日光が思わぬ角度から入ってしまい、絵がよく見えないこともしばしば。おおらかでイタリアらしいといえばらしいのですけれど、ちょうど日が低くなり、窓からいっぱいに日差しが入ってくる時間帯だったのも、気になった大きな原因かもしれません。お目当て以外では、Filippo Lippiや、フランス人の画家ながら大半をイタリアで過ごしたというNicolas Poussinの作品などもありましたが、いちばん印象に残ったのは、Galleria degli Uffizi(ウフィツィ美術館)で全然見ることができなかったMichelangelo Merisi da Caravaggioの大きな作品が何点かあったこと。強烈だった1点だけご紹介しておきます。
Giuditta che taglia la testa a Oloferne』(ホロフェルネスの首を斬るユディト)
Michelangelo Merisi da Caravaggio (1571-1610)

TwinChurches続いて、夫のリクエストで、Piazza del Popolo(ポポロ広場)へ。ちょうど、政治的な集会(色からしてたぶん共産党)が開かれていて、ステージではマイク付きの演説をしているわ、広場の周囲には、警官が大量に待機してるわで、異様な雰囲気でした。ここで夫が見たかったのは、広場に面して建つふたつの教会、通称「chiese gemelle(双子教会)」。(ちなみにうちの夫は双子の片われです。)名前の通り、外見的には大きさも形もソックリ。もともとここは、その昔、街道を通ってRomaを詣でる人たちの多くが、最初に入ってくるところで、北側には大きな門があります。いわば、北の玄関口の役割を果しており、当時の教皇の指令により、17世紀に広場の整備が行われました。そのときに粋な演出として建てられたのが、これらの教会なのです。SantaMariaDiMontesantoSantaMariaDiMontesantoCupora
外見はソックリでも、実は中に入ってみるとちょっと違うのでした。最初に入ったのが向かって左側のSanta Maria di Montesanto(サンタ・マリア・ディ・モンテサント教会)で、実は、こちらの方が奥行きがあるのです。内装もさることながら、その違いが一番わかるのが、天井を見上げてみると見えるクーポラの形。こちらの教会のクーポラは、ご覧の通りの楕円形でした。
SantaMariaDeiMiracoliSantaMariaDeiMiracoliCuporaそして、対する右側のSanta Maria dei Miracoli(サンタ・マリア・デイ・ミラコリ教会)。私たちが訪れたとき、この広場の喧騒の中、ちょうど結婚式が終わったばかりで、教会の前には、着飾った人たちがたむろしていて、ライスシャワーの残骸の米粒がたくさん落ちていました。中では片付けの真っ最中でしたが、きれいな生花はまだいくつか残されていました。見上げたクーポラの形はほとんど円形。そういえば、こちらの教会の方がちょっと狭いような感じもしたりします。
このふたつの教会を手がけたのは、バロックを代表する彫刻家であり建築家のGian Lorenzo Bernini。ルネサンスの後に訪れたバロックの芸術は、ダイナミズムあふれる造形力で、視覚的に訴える装飾が特徴だそうで、そういう意味では、まったく同じように見える教会を並べて作って、都を訪れた人をあれっ?と思わせようというのは、わりとわかりやすい演出。バロック芸術が発展したのは、宗教改革後、教会や教皇がその権力を示すがために、力強く派手な装飾のものをどんどん作らせたことにあり、カトリックのお膝元、このRomaには、その類の芸術作品があふれているのです。

ScalinataDellaTrinitaDeiMonti1ここからそんなに遠くないので、歩いて向かった先は、やっぱりRomaに来てここに行かないというのは、ありえないかなと思ったPiazza di Spagna(スペイン広場)です。10数年前に訪れたときは、初めての海外旅行で添乗員付きのまったくのパックツアーだった上、イタリアの治安がかなり悪かった時期で、この広場ではバスから下ろしてもらえず、窓から眺めただけだったのでした。
もちろん、人々が押し寄せるのは、映画で有名なあの階段。正式な名前はScalinata della Trinita dei Monti(トリニタ・デイ・モンティ教会の階段)というのだそうです。その教会というのは、階段の上にそびえているふたつの棟がある建物ですね。それにしても、晴れ間ののぞいた土曜日の午後だからか、本当にすごい人ごみでした!写真の黒っぽいのは、全部人なのです!今は、階段でものを食べるのは禁止されているので、とても映画のようには行きませんが、なによりこの人ごみでは、階段の途中で写真を撮ることさえ厳しいくらい。CaffeGrecoInside
広場に通じているVia Condotti(コンドッティ通り)は、狭い通りながら高級店が軒を並べる、いわゆるブランド・ストリートで、自由行動中のツアーの観光客などで、こちらもごった返していました。その中にあるのが、老舗中の老舗カフェ、Caffe Greco(カフェ・グレコ)。入口付近がとても混んでおり、ダメもとで中に入ってみたら、うなぎの寝床のように奥深い店内は意外と空いていて、二人用の席にすぐ案内してもらえました。オープンしたのが、1760年とのことなので、かれこれもう240年の歴史があるわけです。後から調べて知ったのですが、私たちが通された奥のテーブルのところは、赤の部屋という意味のSala Rossaという部屋で、壁が赤いビロード張りで、部屋のあちこちに食器やたくさんの絵、彫像が飾ってありました。
カプチーノやラッテの味は、特別美味しいというわけではありませんでしたが、サービスはちゃんとしていたし、特にこの奥まった部屋は落ち着いた雰囲気でゆっくりお茶が楽しめてなかなかでした。FontanaDiTrevi
さらに、頑張って足を伸ばして行ってしまったのが、ここもはずせない名所のひとつ、Fontana di Trevi(トレヴィの泉)。ここは、前にも来ているはずなのですが、実際に行ってみて、こんなに大きかったっけ?と思ってしまいました。こちらも階段に負けず劣らず、かなりの混雑だったので、遠ざかると人々に遮られて全体は入らないし、近づくと1枚の写真には入らず、写真を撮るのにかなり苦労しました。これは、苦心の末、2枚の写真を合成して繋げたものなのですが、わりと上手にできたでしょう?
ただの泉とは思えない巨大な建築物も、もちろんバロック建築のひとつです。紀元前という古代の時代、この街に住んでいた人々は、すでに水道を引くという驚くべき建築技術を持っていたというのは有名ですが、その古代の水道を復活させようとしたのが、15世紀以降の教皇たち。その際に、あちこちの拠点に豪華な噴水を作り、自分たちが行った偉業を誇示しようとしたのだそうですが、その代表的なものがこの泉なのです。神話の登場人物や女神や馬や、とにかくにぎやかで巨大な噴水ですが、観光客の私たちにとって有名なのは、ここでコインを投げ入れると、再びRomaに戻って来ることができるという言い伝え。私たちは、ここに来るまでの道々、わざわざ絵ハガキを買って、二人分のコインを作ったのでした。Vaticanはじめ、今回、見られなかったものがあまりにもたくさんあるので、ぜひ、ここにはまた戻って来ないといけませんからね。

RomaMetro思ったよりもたくさん回れたと気をよくして、地下鉄に乗り込んだ私たちは、ついにここで例の事件に遭ってしまうのでした・・・ゆっくり街中を歩いて帰るという案もなくはなかったのですが、かなり歩いて疲れていたので、地下鉄に乗ろうと駅まで行ったら、さっき出会った集会が終わったばかりらしく、到着した電車の中はすでにすし詰め状態。降りる駅まではたった2駅だし、1本待っても同じかなと半ば無理やり乗り込んでしまったのが運の尽きでした。1駅目に着いたときに、体の前に紙袋を抱えていた夫が押されて両手を横に開く状態になりました。その間、おそらく数10秒。私は無理やり乗ってきた女性が赤ちゃんを抱えており、私の方に押し付けるので不審に思い、自分の荷物をたぐりよせていたときでした。開いていたドアが閉じて電車が走り出した直後、いきなり夫が「サイフがない!」と叫びました。すぐ、英語で「サイフがなくなったが誰か知らないか?」というようなことを大声で叫んでみましたが、もちろんナシのつぶて。胸ポケットにあった黒い皮のサイフは、見事にスられてしまったのでした・・・この状況では、誰に盗られたかなんて、もちろん全くわかりません。
地下鉄の駅で、サイフを盗られたと訴えたら、駅構内の警察詰め所に行けと言われ、そちらに行ったら、外国人ということで英語ができる警官のいる本署の方に行けとたらい回し。頼りになりそうもない警察は後にして、サイフの中に入っていたクレジットカードの使用を止めてもらうべく、ホテルに戻って電話をかけることにしました。クレジットカードの番号は控えておかなかったものの、今までさんざん使ったカード支払いの控えがあったので、番号はすぐわかりました。しかも、今回は、普段はまず使わない私名義の日本で発行したカードも偶然使っていたので、番号やカードの種類(VISAかMasterかさえ忘れていた!)がわかり、カード会社への連絡は思ったよりスムーズに済みました。RomaPizza
さて、問題は、明日1日を過ごす現金をどうやって調達するかということ。Firenzeで引き出した現金の大半(日本円換算で15,000円くらい)は盗られたサイフの中でした。ドルで現金はいくらか持っていましたが、空港から家までのタクシー代に必要だし、あさって、ここから空港までの移動のためのお金も確保しておかなくてはなりません。不幸中の幸いで、Citi Bankのキャッシュカードのうち、私のカードは盗られたサイフではないところにしまっていたため、これが私たちの命綱となってくれるはず。クレジットカードおよび夫のキャッシュカードの利用を止める電話連絡を終え、提携している国際キャッシュカードのATMを探しに、Stazione Termini(テルミニ駅)に行きました。ところが、土曜日の夜だからなのか、3台もある機械はすべてちゃんと作動せず、現金引き出しができません。よりによって、こんなときに・・・だから、イタリアの銀行はキライだ!とつぶやきつつ外に出てみても、あたりはすっかり暗くなっており、こんな中、ATMを求めて街をさまよいあるくのも得策とは思えません。今晩はひとまずギブアップして、明日、再度トライしてみることにしました。
そう決めると、当座の問題として、こんなときでもしっかりなっている腹の虫をおさめるべく、気分を切り替えて、夕食をどうするか考えることにしました。この時点での手持ちの現金は、私のポケットに入っていた30,000リラ(約1,500円)のみ。実は、今日9月30日は、私たちの結婚記念日だったりするので、ホテルで教えてもらったシーフードが美味しいというレストランに行く予定にしていたのですが、カードも現金もない今、そんなぜいたくは許されません! 結局、駅のそばのピッツェリアで切り売りのピザ3枚と水のボトルを合計29,300リラというギリギリの値段で買って帰り、ホテルで食べ、たぶん、結婚以来いちばん情けない結婚記念日の夜を過ごしたのでした・・・

さて、これで手持ちのリラはほとんどゼロ。なんとかなるだろうとは思いながらも、明日は日曜日で大使館など公共機関がお休みであることに一抹の不安も感じます。さて、私たちは無事現金を入手できるのでしょうか?そして、このピンチを乗り切り、イタリア旅行の最後を飾る、楽しい「Roman Holiday(ローマの休日)」を過ごせるのか?・・・いよいよ、最終日を迎えます。

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MilanoVeneziaFirenzeRoma
9月24日9月30日
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