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9月29日(金) 曇りのち雨 フィレンツェ <Part 2>◆このページをとばすときは
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DavidSignoria昨日の暴食(?)がたたり、朝から胃の調子が悪かった私は朝食をパス、とにかくGalleria degli Uffizi(ウフィツィ美術館)には時間をかけたいと思っていたので、Piazza della Signoria(シニョーリア広場)へと向かいました。美術館の前まで行って、まあ、びっくり!開館してそんなに時間がたっていないはずなのに、すでに入口から長蛇の列が出来ていたのでした。列の途中にはディズニーランド形式の「ここから何分待ち」という看板がありましたが、最後尾は「1時間待ち」からもずいぶん遠かったので、あえなくギブアップ。再度、訪れることにしました。
それではと最初に訪れたのは、入口のところにMichelangelo Buonarroti作のDavid(ダビデ)像のレプリカがあるPalazzo Vecchio(ベッキオ宮殿)。14世紀に建てられた建物を、広場に銅像があるCosimo I de'Medici(コジモ1世)が住まいとするに際して改装したものなので、外側の頑強な感じとはうって変わって、中は華やかなルネサンス様式です。手がけたのは画家、建築家として活躍し、それ以上に芸術家たちについての重要な書物『芸術家列伝』の作者として知られているGiorgio VazariPalazzoVecchio500Room
その中でも、いちばん力を入れて改装したというのが、その名もSalone dei Cinquecento(500人大広間)という巨大なホールです。今でも市の式典などを行うホールとして利用されているそうで、中央には折りたたみ椅子がたくさん並んでいました。フラッシュが使えなかったので、暗くてよく写っていないのですが、壁も天井も絵で埋め尽くされていて、VeneziaPalazzo Ducale(ドゥカーレ宮)を思い出させてくれました。(天井のズームはこちらでご覧になれます。)
他の部屋でも、Firenzeの花であるユリのシンボルマークで覆いつくされたSala dei Gigli(ユリの間)とか、これでもかというくらい派手に飾り立てている部屋がいくつかありました。Veneziaの場合は、たいてい外側もそれなりに豪華だったし、街並みも含めて当時のままに保存してあるので、その派手な装飾の室内もそれほど違和感がなかったのですが、この建物は外側が質素な感じなのと、現在市庁舎として使われていて、マイクや折りたたみ椅子など現代的なものが置いてあったりすることから、当時の豪華な装飾がちょっと浮いている(?)ような印象を受けてしまいました。

PalazzoPitti一向に列が短くなっていないように見える美術館を横目で見ながら通り過ぎ、またPonte Vecchio(ベッキオ橋)を渡って、こちらもCosimo I de'Mediciの宮殿であったPalazzo Pitti(ピッティ宮殿)へと向かいました。この宮殿の巨大さは異様であるとどのガイドブックにも書いてありましたが、城壁をめぐらせて外界と遮断されているので、その敷地の広大さがよけい目立ちます。最初は、ライバルのPitti家のための宮殿として作られた建物をMedici家が買い取り、さらに増築したのでここまでの大きさになってしまったそうですが、その頃彼らは、一般人とは隔絶された自分たちだけの居城を作ることを目指していたため、例の橋の上を通した回廊まで作ってしまったとか。
現在は、この広い宮殿の中に、絵画中心のコレクションを展示したGalleria Palatina(パラティナ美術館)の他、Museo degli Argenti(銀器博物館)、Museo d'Arte Moderna(近代美術館)など5つほどの美術館、博物館が存在していて、入場券を買うときは、いろいろな組み合わせがあったりします。
私たちは、もちろん絵画鑑賞がメインなので、Appartamenti Reali(国王夫妻の居室)がセットになっている美術館だけ鑑賞することにしました。所蔵品は最初の城主であったMedici家が蒐集したものが主ですが、その後を継いだLorena家はこれらを立派に展示するために、内装を整えるなど、いろいろ工夫の手を加えました。すでに、18世紀後半から蒐集品の展示に使われていて、天井画や壁紙、カーテンに至るまで室内装飾は、時間をかけて揃えられたものでもあり、ちょっと年季の入ったものなのです。また、気に入った作品の一部をご紹介します。
Madonna col Bambino e storie di Sant'Anna』(聖母子と聖アンナの生涯の物語)
Filippo Lippi (1406-1469)
Madonna della Seggiola』(椅子の聖母)
Raffaello Sanzio (1483-1520)
La Veleta』(ベールの女)
Raffaello Sanzio (1483-1520)
Le consequenze della querta』(戦争の結果)
Pieter Paul Rubens (1577-1640)


GalleriaPalatina
個人コレクションをその邸宅で見るように、宮殿の部屋ごとに趣向が凝らしてあって、とてもよかったのですが、ここでちょっと残念だったのは、採光の問題でした。窓から差し込む日差しは、たまに絵をとても見にくくしていましたし、窓がない、あるいは閉まっている部屋は逆に暗すぎてよく見えなかったし。部屋も含めて美術だから、自然光で見るのが普通なのかもしれませんが、完璧な採光が施されている美術館の絵にすっかり慣れてしまっている私たちにはちょっと厳しかったです。

GalleriaDegliUffizi宮殿のカフェでようやく物が食べられるようになった私もカフェラッテと一緒に遅い朝食を取り、川沿いのお店を覗きながら、また橋を渡って川のこちら側に戻って来ました。Galleria degli Uffizi(ウフィツィ美術館)の入口前には、依然として入場待ちの列が出来ていましたが、前に比べるとずいぶん短いみたい。もう時間も午後になっているので、ここは腹をくくって並ぶことにしました。「1時間待ち」の看板よりは前だったので、入口まではものの30分ほどでたどり着きました。思ったより早くてよかった・・・と思ったのは、ここまでで、建物に入ってからも延々と待たされ、結局、実際の展示室の入口から入ることを許されたのはかれこれ1時間以上後。今は入場の予約も可能なので、時間をロスしたくない方は、そちらをおすすめします。
さて、やっと入れたからには、ゆっくり見ようと、時代順に並んでいる回廊の展示室を歩き始めました。とはいっても、やっぱり金箔を多用したピナクル型の宗教画はあんまり得意ではないので、自然と足が速まってしまい、ルネサンス期の絵画をゆっくり見ることになりました。LaNascitaDiVenere
直前に時間がたっぷりあったので、見逃してはいけない絵や、見たい絵の場所は何回も確認していたので、次々と登場してくる名作中の名作の数々も余すところなく見ることができました。個人的には、月並みですがやっぱりSandro Botticelliのあまりにも有名な2枚の大作『La Nascita di Venere(ヴィーナスの誕生)』と『La Primavera(春)』にはちょっと感動。画集やガイドブックで何回も見ていましたが、本物は迫力ありました。500年以上も前に描かれたこれらの絵が、あるときはとても黒ずんでしまい、「春」は「秋」のようになってしまったのだけれど、見事な修復によりすっかりよみがえったというのも本で読んでいたので、どれほどかと楽しみにしていましたが、思った以上に色が鮮やかで、かつて「秋」のようだったなんてみじんも感じられませんでした。DaVinciRoom
もうひとつ、ウフィツィといえば、巨匠Leonardo da Vinciの作品を有していることも有名。共作も含めて3枚の絵が展示してある部屋は、やはり人々で混みあっていました。大作の『Adorazione dei Magi(東方三博士の礼拝)』の方は、構図や細部は素晴らしいのかもしれませんが、色の付いていない未完作とあって、なんだかあんまりはっきりしていなくてイマイチ。『Annunciazione(受胎告知)』は、予想していたより小さい絵だったので、こちらも期待ほどではありませんでした。そういえば、その昔Musee du Louvre(ルーブル美術館)で『Monna Lisa(モナ・リザ)』を見たときに、あまりの小ささにちょっとがっかりしたのを思い出しました。やっぱり、Milanoで『Cenacolo Vinciano(最後の晩餐)』が見たかった・・・
こんな調子で、じっくり鑑賞することができましたが、最後の方の展示室がすっかり閉まっていて、Caravaggioの作品が全然見られなかったのは残念でした。ここも、印象に残った作品をご紹介しておこうと思います。
La Battaglia di San Romano
(サン・ロマーノの戦い)
Paolo Ucchello (1397-1475)
Dittico dei Duchi d'Urbino
(ウルビーノ公爵夫妻の肖像)
Piero della Francesca (1417-1492)
Madonna col Bambino e due angeli
(聖母子と2天使)
Filippo Lippi (1406-1469)
La Nascita di Venere』(ヴィーナスの誕生)
Sandro Botticelli (1444/5-1510)
La Primavera』(春)
Sandro Botticelli (1444/5-1510)
Sacra Famiglia(Tondo Doni)』(聖家族)
Michelangelo Buonarroti (1475-1564)
Madonna del cardellino』(ヒワの聖母)
Raffaello Sanzio (1483-1520)
Flora』(フローラ)
Tiziano (1490-1576)



Michelangelo
さすがにこの美術館には、英語、日本語のガイドさんが同行しているツアーの人たちがたくさんいました。New Yorkに住むようになってから、潤沢な資金による所蔵品の数と質では、今、Metropolitan Museum of Art(メトロポリタン美術館)以上の美術館はないのかもしれないと思っていましたが、イタリア美術に限っていえば、この美術館には全然及びません。Veneziaでも感じましたが、やっぱりその土地で製作された、とっておきの作品は、ちゃんとそこに残されているものなのですね。
その至宝のひとつである本物のDavid(ダビデ)を見に行ったGallerie dell'Accademia(アカデミア美術館)は後編で。

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