★ HAVE FUN!! in New York ★

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Manhattanの北端に近い丘の上にたたずむクロイスターズは、ロックフェラー家の2代目で、慈善事業で名高いJ.D.Rockefeller Jr.の多大な寄付により、メトロポリタン美術館の別館として1893年に建てられました。ヨーロッパの回廊、修道院の遺跡を組み合わせて作られた建物自体が見事な中世の芸術品。タペストリー、ステンドグラス、彫像といったキリスト教を中心に発達した中世美術が結集していて、まるで時間も場所もどこかにタイムスリップしたよう。ハドソン川を望む眺望や緑あふれる景観といい、都会の喧騒から逃れて静かに過ごすには格好の場所です。ミッドタウンからかなり距離がありますが、バスか地下鉄1本で行けますので、天気のよい日に遠足気分で出かけてみてはいかがでしょう?
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MapNew Yorkを訪れた人なら、誰もが一度は必ず行くのがThe Metropolitan Museum of Art。その別館としてThe Cloistersがあるのはご存じの方も多いと思います。ところが、別館といいつつも、隣や近くにあるわけではないので、実際に訪れたことがある方はメトロポリタン美術館と比べるとぐっと少ないのではないでしょうか。おおよその位置関係を示したのが左の地図です。ハーレムも越えて、Manhattanの北端の方が細長く伸びている先の方にあり、Streetの数でいうと190thと200thの間、Fort Tryon Parkという公園地帯の一角に位置しています。おとなりのBronxにあるYankee Stadiumが161st Streetですから、それよりもさらにずっと北ということになります。
ここまでの交通手段としては、終点が美術館の入口のところになっているバスM4と、少し手前に駅がある地下鉄の両方があります。(バス停、駅の様子はこちらで。) バスはそのまま終点まで乗っていればよく、地下鉄Aラインは、終点の2つ前、 190 St で降ります。駅からは、歩くと10分くらいありますが、地上に上がるとすぐのところにM4のバス停があるので、乗り継いでもよいかもしれません。時間的には、ミッドタウンが急行運転になる地下鉄の方が断然早く、30分足らずで着いてしまいますが、交通量も人通りも多いにぎやかなMadison Avenueを北上し(帰りは5th Avenue)、ハーレムのど真ん中を通るバスの窓から、移り変わる風景をのんびり見ているのもなかなか興味深いもの。もし、時間があれば、行きか帰りをバスにしてみるのも悪くないと思います。バスの所要時間は、だいたい1時間半程度を覚悟しておいてください。もちろん駐車場もあるので、車なら、Manhattanの西端を通るHenry Hudson Parkwayを北上して、190th Streetの手前くらいに標識が出るところで降りてすぐ。橋を渡ってくるわが家からは、実は車だとわずか25分程度で到着してしまうのでした。
CloistersEntranceそして、バス停のすぐ前にある入口がこちら。中世ヨーロッパの回廊をいくつか組み合わせて作られた建物は、英語で修道院などの回廊を表す「cloister」という言葉の複数形がそのまま付けられています。まるで映画に出てくるお城みたいな小さくて古めかしいドアを入り、これまた見たことがあるような細い階段を上がって行くと、途中にクロークがあり、さらに上がると入場料を支払う美術館としての入口があります。こちらの入場料も、メトロポリタンと同様、大人10ドルが目安の任意の寄付となりますが、同日であれば、メトロポリタンでもらったMバッジがそのまま有効となります。入場料を支払うときに、たいてい何語のパンフレットが欲しいか聞かれるので、「Japanese Please.」というと、日本語のパンフレットをくれます。
そのホールから通じているMain Levelと、階段を下りて行くLower Levelのいずれにも中庭のある回廊があり、建物の作りはちょっとフクザツ。とはいっても、本館のように広いわけではないので、迷いながら歩いて回ってもそんなに時間はかかりません。ただフラッと訪れて、異国情緒あるれる展示品をなんとなく見て、中庭やテラスから外の景色を楽しむだけでも十分ですが、せっかくなので、展示されている中世美術の数々をご紹介してみます。
MainLevel
MainLevelMain Levelは、噴水が中央にあるCuxa Cloister(キュクサの回廊)が中心。ここの周りに腰掛けて、しばらく中庭や建物を眺めているだけでもなんだか落ち着きます。春から夏にかけては、目にも眩しい生い茂る草花の緑や子育て中の小鳥のさえずりに生命の息吹が感じられ、時が止まったような建物と好対照。CuxaCloisterCourt
この回廊は、フランスはピレネー山脈のふもとにあった修道院Saint-Michel-de-Cuxaから石細工の品々を持ってきて復元したもので、特にいろいろ凝った装飾が施された大理石の柱の何本かが12世紀頃のオリジナルのもの。ちゃんとどの部分がオリジナルかがそばに図で示されているのですが、ちょっと見ただけではどれが古くてどれが新しいのか全くわからないほど、巧みに作られています。動物をあしらったものが多い柱頭の部分は、よく見ると神秘的を通り越して、ちょっとだけ不気味。
その他の展示品は、フロア別にご紹介してみました。フロアプラン(見取図)はクリックすると詳細が表示されます。展示品は、作品名をクリックして説明をご覧ください。
The Annunciation Triptych(「受胎告知」の三連祭壇画)
12世紀, Robert Campin and Assistant, South Netherlandish; Made in Tournai (フロアプランA)
The Virgin Mary and Five Standing Saints above Predella Panels
(聖母マリアと諸聖人のステンドグラス)
1440 - 1446, German; Made in Rhine Valley (フロアプランB)
The Unicorn Tapestries(一角獣のタペストリー)
1495 - 1505, South Netherlandish (フロアプランC)
Crucifix(磔刑像)
1150 - 1200, Spanish; Made in Palencia (フロアプランI)
GWBViewそして、この階で見逃してはならないのが、West Terrace(フロアプランG)からの眺望。真西に向いているので、公園の木々の向こうにはハドソン川が広がり、少し南にはManhattanへの通勤や物流のために利用され、全米一の交通量で知られているGeorge Washington Bridgeもバッチリ見えます。下の階からもハドソン川を見ることができますが、美しい吊り橋の姿が見られるのは、一段高くなっているこの場所からだけ。ここを出る前に忘れずに見ておいてくださいね。
絵はがき、写真集をはじめとした土産物を売っているGift Shopもこの階のエントランス・ホール脇にあります。展示されている宗教画や像のレプリカが数多くあるところは、いかにも宗教的な要素が強い美術館という感じがします。
LowerLevel
LowerLevel吹き抜けになっているGothic Chapel(フロアプランJ)の階段を下りて行く階下には、また回廊がふたつあって、展示室のスペースはかなり狭いのですが、小さいながらも精密で美しい美術品がたくさん。象牙や金属を使ったものや、金を多様したテンペラ画など、大きさのわりには価値が高そうなものばかりで、当時も、きっと教会や修道院の奥まった部屋にひっそりと飾ってあったんだろうな・・・などと思わず想像してしまいます。
TrieCloisterふたつある回廊の小さい方、Trie Cloister(フロアプランM)には、上の階のThe Unicorn Tapestriesに描かれている草花が植えてあり、図柄と同じように控えめなかわいらしい花々を咲かせているところでした。この回廊も、15世紀の南フランスの修道院の遺跡をもとに作られたものです。また、中庭を見渡しながらお茶が飲める簡単なカフェもあるので、ちょっと一休みはここで。
BonnefortCloister大きな方のBonnefort Cloister(フロアプランN)は、庭が区画に仕切ってあって、薬草やハーブ、野菜や果物など、生活に役立ついろいろな草花が植えられています。初夏のこの時期は、野イチゴの小さな白い花や、アイリスの大輪の花などが咲いていて、蜜を求めるチョウが舞っていたり、緑のハーブ類もすくすく育っていて、庭全体がにぎやかでなかなか華やいでいました。あまりに鳥のさえずる声が絶え間なくするので、よく見てみたら、軒先のかわらとかわらの間のところにスズメだかムクドリだかが巣を作っており、かなり大きくなったヒナがエサを欲しがってしきりと鳴いているのでした。きっと、こういう自然との共存は、中世の時代から変わっていない数少ない営みのひとつなのでしょうね。こちらも西側に向いているところからは、ハドソン川の景観が楽しめますが、少し低いので夏場は手前の木々に見通しを遮られてしまいます。
さて、こちらの階の美術品もいくつかご紹介してみます。
Eight Roundels from a Series of the Parable of the Prodigal Son
(「放蕩息子のたとえ話」の円窓)
1532, German; Cologne (フロアプランK)
The Cloisters Cross(クロイスターズの十字架)
1150頃- 1160?, English; Made in Bury St. Edmunds (?) (フロアプランL)
Virgin and Child(聖母子像)
1290 - 1300 England; Westminster or London (フロアプランL)
Beaker "Monkey Cup" (広口杯「サルの杯」)
1425 - 1450 South Netherlandish; Made in Burgundian Territories (フロアプランL)
PontautChapterHouse展示のご紹介は以上です。中世美術は、教会や修道院を中心に発達していったため、本当に宗教色の濃いものばかりで、比較的苦手な方も多いかもしれませんね。近代的な美術館の建物にちょこんと展示してあると周囲との違和感も強く、なんだかあえて見ずに通ってしまうことも多いですが、建物自体が中世のものを元にしているクロイスターズでは、時代や国も違う作品がなんだかなじんで見えてしまうから不思議です。宗教だから・・・と食わず嫌い(?)の方も、ここならあんまり抵抗なく見られるのではないかと思いますし、ヨーロッパが好きならなおさら。公園や中庭の緑が美しい初夏から盛夏にかけて、ぜひ、訪れて独特の雰囲気を味わってみてくださいね。
The Cloistersの開館時間や休館日など一般的な情報は、メトロポリタン美術館オフィシャルサイトのインフォメーション http://www.metmuseum.org/visitor/ から。また、コレクションの一部は、同じサイトのコレクションのページ http://www.metmuseum.org/collections からご覧になれます。
参考文献:「メトロポリタン美術館ガイド」 メトロポリタン美術館
「街物語 アメリカ」「ワールドガイド ニューヨーク '00〜'01」 JTB出版

おなじみの本館、メトロポリタン美術館の特集はこちらでご覧ください。
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