6月7日(木) (続き) 曇り のち 晴れ シカゴ <Part 2> | ◆このページをとばすときは ここをクリック◆◆◆ |
ちょうど私たちが訪れた木曜日から週末にかけて、Chicagoで開催される年に一度のビッグイベントがBlues Festival 2001でした。スポーツに比べて、音楽に対する情熱がいまひとつ(?)の私たちは、ギリギリまでそれがどんなイベントで、どこで開催されるかも知らなかったのですが、やっぱり便利なのはインターネット。検索エンジンに「Blues Festival」とタイプするだけで、イベントの詳細を紹介した市のPRのページ(http://www.ci.chi.il.us/SpecialEvents/Festivals/Blues2001/)が見つかりました。場所は今いるGrant Parkの中らしいけれど、今日は初日で平日だし、昼間だからまだそんなに人はいないであろうと思っていました。ところが、次々と人々が同じ方向に向かうし、なにやら音楽も聴こえ始めてきたので、つられて一緒にそちらの方に行ってみました。
平日の昼間だから・・・なんて全然関係なく、通行止めになっている会場にはたくさんの人々が集まっていました。ギターをかついでサングラスをかけた子連れのお父さんは、きっとこれから演奏するブルースギタリストに違いありません。子供までサングラスをかけているあたり、いかにもChicagoっぽくて、なかなか絵になっていました。
エリア内にいくつか設置されたステージで、それぞれミュージシャンが自慢の腕を披露するという、この無料の屋外音楽イベントには、期間中毎年650,000人もの人たちが訪れるのだそうです。市民はもちろん、近郊に住む人々、または遠くから駆けつけるブルース・ファンもいたりして、この期間中は夜遅くまで街中がにぎわっているとか。偶然とはいえ、いい時期にChicagoに来たのだったのですね。だた、ステージの方は、残念ながらまだまだ盛り上がりに欠ける時間帯で、私たちが見たのは高校生のバンドで、合わせるのがやっとという程度の演奏。すぐ前で見ていた黒人のおじいさんも、ぼそっと「これはブルースじゃあないねえ。」とつぶやいていました。
手軽なピザやホットドッグはじめ、パスタ、ケーキ、アルコール類まで、食べ物屋さんもかなりの数出ていて、これらは販売所で買ったチケットで支払うしくみになっていました。チケットは6枚つづりで10ドル。軽いものはチケット2枚くらい、ちゃんとした食事は6枚とか8枚とかでした。でも、いちばん目立っていたのは、こちらのようなTシャツを軒先に下げた店の数々。ただのTシャツ屋ではなくて、それぞれChicagoにあるブルース・クラブのグッズ販売をしている出店なのでした。ロゴ入りTシャツは結構売れていたみたいだったし、おかかえアーティストのCDなんかも売っていました。通りを歩いていると、これらの店の人がこの週末の出演者リストが書かれたビラをくれたりもして、まだちゃんとしたブルースを聴いてもいないのに、なんだかすっかりブルースの雰囲気に包まれた感じがしました。これは、滞在中にやはりどこかで聴かなくてはなりませんね。
そして、そろそろいい時間になったので、街中に戻りThe "L"のRed Lineに乗り、Chicago Cubsの本拠地、Wrigley Fieldへと向かいました。厚く垂れ込めていた雲が少し薄くなってきたようで、気分よく外を眺めているうち、ふと重大な間違いに気付いてしまいました・・・今日のデーゲーム、試合開始時間は午後2時20分と家から持ってきたNew York Timesに書いてあり、ずいぶん中途半端な時間に始めるなあとちょっと不思議に思いつつ、その少し前くらいを目指して現地に向かっていたのでしたが、よくよく考えたら、その時間は東部時間で、1時間遅れの中部時間を採用しているChicagoでは午後1時20分ということ!と気付いたところで、今さらあせってもどうしようもありません。
私たちが球場に着いたのは、もうすっかり試合が始まっている2時ちょうどくらい。駅を降りると正面になるライト側の球場外にあるカブス専属の名物アナウンサーだったというHarry Carayのマイクを突き出した銅像が、私たちを迎えてくれました。急いでチケット売り場に行き、いちばんよい席をとのリクエストで、なんとかいちばん高そうな30ドルのチケットを入手。通路の土産物屋などをさっさと通り過ぎ、指示された入場口へと小走りに向かいました。
通路を抜け、グラウンドが見える観客席に入ったときにびっくりしたのが、平日の昼間だというのに、ほぼ満員状態のスタンドと指差された自分たちの座席。なんと、一塁側ダッグアウトのすぐ上、前から2列目だったのです!日本でも含めて、結構、野球の試合は見ている方だと思いますが、当日券でこんないい席に当たったのは初めて。まわりは当然熱狂的なカブスファンとか、ダッグアウト内の選手と会話している人さえいたりするような席でした。(チケットの写真はこちら) このとき、試合はすでに3回を終っている頃で、試合開始後にこんないい席が残っているなんて、当日、VIPのキャンセルでもあったとしか思えないくらい。とにかくラッキーでした。
わが家が応援する、そして皆さんには新庄 剛志選手が所属するチームとしておなじみのNew York Metsと同じ、ナショナルリーグに属しているChicago Cubsは、なんといってもドミニカ出身のホームランバッターSammy Sosaが看板選手。そして、今日の対戦相手は、同じ中部地区で首位を争うSt.Louis Cardinals。こちらには、あのホームラン王争いに勝ったMark McGwireがいるのです。この球場では、地元カブスが三塁側で、対戦相手が一塁側のダッグアウトとなっているようで、打席や守備の交代のたびに、そのBig MacことMcGwireがどアップで見れてしまうのでした。間近で見るBig Macはやっぱり迫力満点。腕の太さとか太ももの周りとかは、たくましい野球選手たちの中にあっても、群を抜いていました。でも、守備の交代の際、最後にボールを受けることが多い一塁手の彼に、スタンドの子供たちから「ボールちょうだい。」コールがかかるのに、それを全く無視だった愛想の悪さはちょっと意外でした。あのホームラン競争に勝った年を最後に、去年は出場機会さえかなり減ってしまいましたし、今年もたまにどでかいホームランをかっ飛ばすものの、全般的には不調。敵地ということもあって、ファンに愛想を振りまくほどの余裕もないのかもしれませんね。この日も、ヒットは打ちましたが、スタンド入りはありませんでした。
一方、毎回地元ファンの盛大な声援を受けて打席に立つSammy Sosaは、中部地区の首位を走るチームともども、今シーズンはかなり好調。こちらも残念ながら、ホームランこそありませんでしたが、リードされた終盤、同点に追いつくタイムリー二塁打を放つなど、あいかわらずの好調ぶりを発揮していました。
カブス自体は、このところ、プレーオフ出場すらままならず、どちらかというと万年下位だけど地元ファンには熱烈に愛されているという関西地区のどこかの球団(!)と似たタイプ。それが、今年はなにが変わったのかよくわかりませんが、開幕から猛ダッシュを続け、6月現在でも中部地区の首位をキープしています。弱くても応援するチームが強ければなおさらのこと。やっぱり、平日だろうと昼間だろうと、球場に応援しに来てしまいますよね。もともと、大リーグで2番目に古い球場であるWrigley Fieldには長いことナイター設備がなく、すべて昼間の試合で行われていました。さすがに今は照明設備もちゃんとありますが、オーナーの意志などもあって、今でも昼間の試合が多いのだそうです。確かに、緑のツタが絡まる美しい外野フェンスや、いまどき珍しい電光掲示板ではないスコアボードなど、昼間だからこそ、このノスタルジックを掻き立てる美しい球場での試合がより楽しめるのだと思いました。
試合の方は延長の接戦の末、見事カブスがサヨナラ勝ち!狂喜乱舞のファンとともに、また電車に乗ってダウンタウンへと戻りました。心配されたお天気も、試合終盤には強い日が差すまでになっていたし、取ったら取り返すで盛り上がった試合だったし、なんといってもあの絶好の座席。これ以上ない好条件が揃った野球観戦でした。あの球場で試合が見たいがために、早朝の便にしたかいがあったというものです。
一度ホテルに戻り、盛り上がりを迎えるに違いないBlues Festivalと夜の噴水のライトアップを見に、またGrant Parkに出かけようとしていたのですが、前日夜遅くまで旅行の準備をした上、朝5時起きという睡眠不足による睡魔は、私たちにそれを許してはくれませんでした。結局、部屋に戻るとすっかり眠りこけてしまい、夕食も得意(?)のルームサービスで、スープ、サンドウィッチ、サラダなどで済ませてしまったのでした・・・
その分、明日は早起きして、街中の屋外アートを見て歩く予定です。
Chicago | ||||||
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